Anthropic、科学研究基盤Claude Science公開
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Anthropicは6月30日、計算科学の研究を一つの環境で完結できるAIワークベンチClaude Scienceを発表しました。データベースやパイプライン、各種ツールを行き来する手間を省き、自然言語で研究を進められる点が特徴です。同社は新しいAIモデルではなく、Claude Opus 4.8を含む既存のClaudeをそのまま使うと明言しています。
仕組みは、主担当のAIが研究のプロジェクトマネージャーとして動き、60を超える科学データベースに接続します。ゲノミクスやタンパク質構造、化学向けの専用ツールキットを備え、必要に応じて作業を分担するサブアシスタントを作り出します。さらに別の検証用AIが、出版前に引用や計算を二重チェックする仕組みです。
再現性を高める工夫も盛り込まれています。3Dタンパク質構造などの図を、それを生成したコードや作成手順、メッセージ履歴とともに保存できます。研究データを自社サーバーへ送らず、ラボ自身のインフラ上で動かせる点も、データ管理を重視する現場には利点となります。
今回の発表でもう一つ重要なのが、NVIDIA BioNeMo Agent Toolkitとの統合です。NVIDIAの高速化された計算機能が呼び出し可能なスキルとしてまとまり、Claude Scienceが適切なツールを選んで実行します。Parabricksはゲノム解析を時間単位から分単位へ、RAPIDS-singlecellは130万細胞の処理を52分から25秒へと短縮します。
競合との違いも鮮明です。OpenAIは4月、生物学推論に特化したGPT-Rosalindを、米国の認定企業に限定した研究プレビューとして公開しました。Google DeepMindはAlphaFoldやAlphaGenomeといった自社の基盤モデルを強みに、Gemini for Scienceで30以上のデータベースを束ねています。Anthropicは広い購読層への開放、OpenAIは企業限定、Googleは独自モデルという三者三様の戦略です。
Claude ScienceはPro、Max、Team、Enterpriseの各プランでベータ提供され、Novo NordiskやAllen Instituteが事例に挙がっています。Anthropicは最大50件のプロジェクトに合計3万ドル分のクレジットを提供する計画で、応募は7月15日まで受け付けます。法務や金融、エンジニアリングなど他の専門領域でAIベンダーがどう競うかを占う、早期のシグナルになりそうです。