MIT学長、AIは思考の増強手段と強調

AI教育の方針

AIは思考の増強手段
手を動かす学びを重視
対話AI依存への警戒
強いプロンプト作成力を育成

研究基盤の危機

連邦研究資金の凍結
好奇心駆動研究が停滞の恐れ
医療進展の長い時間軸

経済的影響

卒業生が3万社超を創出
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マサチューセッツ工科大学(MIT)のサリー・コーンブルース学長は、ワシントン・ポスト主催の討論イベントで、AIを人間の思考を置き換えるものではなく増強する道具として位置づける教育方針を示しました。同学長はアリゾナ州立大学のマイケル・クロウ学長と登壇し、変化の激しい技術環境で次世代の科学者をどう育てるかを議論しました。

コーンブルース学長は、MITの標語「mens et manus(知と手)」を引き合いに、学生が自ら物を作る力を保ちつつAIを補助的に使う人間中心のAI活用を目指すと語りました。AIが学習仲間の代わりになる事態は望ましくないとして、チームワークや協働を重視する姿勢も強調しています。

AIを効果的に使うには適切なプロンプトを書く力が不可欠だと同学長は指摘します。数学や物理、生物、化学といった基礎知識と、明快に書き伝える力があってこそ、学生はAIを科学研究に責任を持って応用できると述べました。

一方で同学長は、連邦政府による研究資金の凍結に強い懸念を示しました。好奇心を起点とする基礎研究は即座の見返りがないため政府が支えてきた歴史があり、資金が大学に交付されない状況が続けば、繁栄と安全を支えてきた技術と人材の流れが枯渇しかねないと警告しています。

同学長は具体例として糖尿病治療を挙げ、インスリン注射から自動ポンプへ、さらに幹細胞移植による機能的治癒へと進む道のりには長年の基礎研究が欠かせないと説明しました。がん免疫療法の適用拡大も同様で、基礎科学への投資が治療の前進を左右すると訴えています。

最後に同学長は、MITの経済的な貢献にも触れました。卒業生が3万社超を起業し、その経済効果は世界14位のGDPに匹敵すると述べ、次世代の人材育成と社会への科学的影響を通じて国家に貢献し続けたいとの意欲を示しました。