AIデータセンター需要で米国製造業の電気代が高騰

電力費の急騰

PJM容量価格が約11倍
レンガ工場は月1.2万ドルに
鉄鋼大手は電気代70%増

製造業の打撃

電力費は鉄鋼生産費の2〜4割
鉄鋼業界で年数千万ドル増
Metallusは年1500万ドル増

政策との矛盾

トランプ製造業復活と逆行
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米国の鉄鋼やレンガといった製造業が、AIデータセンターの急増する電力需要によって電気代の高騰に直面しています。ロイターの分析によると、13州を束ねる最大の送電網運用者PJMインターコネクションで容量価格が急上昇し、ラストベルトの工場の利益率を圧迫しています。これはトランプ大統領が掲げる「メイド・イン・アメリカ」による製造業復活の方針と真っ向から衝突しかねません。

象徴的なのが、オハイオ州で141年続くレンガ製造のベルデン・ブリック社です。同社の電気料金は月1,600ドルから1万2,000ドルへと跳ね上がりました。地域の月間容量課金が大幅に引き上げられたことが主因です。

鉄鋼業界が受ける打撃はさらに深刻です。米鉄鋼製造業者協会は、PJM圏に集中する鉄鋼各社が年間で数千万ドル規模の追加電力費を負担していると警告しました。電力費は鉄鋼生産コストの20〜40%を占め、電気アーク炉は1基あたり40〜200メガワットを消費するためです。

オハイオ州の鉄鋼大手Metallusは、2024年以降で電気代が70%上昇し、年間1,500万ドルの追加負担が生じたと説明しています。背景には、PJMの容量価格が2024年の1メガワット日あたり28.92ドルから、2026年に329.17ドルへと約11倍に高騰したことがあります。

皮肉なのは、データセンター建設が年間約100万トンの鉄鋼需要を生み、鉄鋼業界に恩恵ももたらしている点です。同じAIブームが、需要と電力コストの両面で製造業を揺らす構図となっています。トランプ政権はテック企業を後押ししつつ製造業復活も掲げており、政策の板挟みが鮮明になっています。