AI半導体需要が直撃、インドでスマホ価格上昇と販売減

メモリ争奪の波及

AIデータセンター向け高帯域メモリ優先
スマホ用汎用メモリの供給逼迫
端末価格が4〜68%上昇

インド市場の変調

4〜6月出荷が前年比10%減
1.5万ルピー未満が45%減
買い替え周期は約4年へ長期化

勢力図の変化

Samsungのみ出荷2%増
OnePlusが欧米で新製品停止
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AIデータセンター向けのメモリ需要が消費者向け電子機器に波及し、インドのスマートフォン市場が失速しています。市場調査会社Counterpointによると、2026年4〜6月期のインドのスマホ出荷台数は前年同期比で10%減となり、6月期としては6年ぶりの大幅な落ち込みを記録しました。メモリ価格の上昇が端末価格を押し上げ、世界第2位のスマホ市場を直撃した形です。

価格高騰の背景には、AIアクセラレータ向けの高帯域メモリ(HBM)を優先するメモリ大手の動きがあります。SamsungやSK Hynix、Micronは、ウエハーあたりの収益性が高いHBMへ生産能力を振り向けており、スマホやノートPCに使う汎用メモリの供給が逼迫しています。その結果、日用的な電子機器のコストが押し上げられているのです。

インド中国以上に打撃を受けたのは、市場の約6割が2万ルピー(約210ドル)未満の低価格帯に集中しているためです。とりわけ1.5万ルピー未満の出荷は前年から45%減と急落し、モデルによって端末価格は4〜68%上昇しました。同時期の中国の出荷減は2%にとどまり、インドの落ち込みの深刻さが際立ちます。

価格上昇は競争構図も塗り替えています。主要ブランドで唯一出荷を伸ばしたのはSamsungで前年比2%増、一方でAppleは供給制約から3%減となり、中国勢の合計シェアは2020年以来の低水準に落ち込みました。OnePlusが欧州と北米での新製品投入を停止しインド事業に集中するなど、低価格帯ブランドの撤退も相次いでいます。

IDCは、メモリ不足と価格高騰が少なくとも2027年末まで続くとみています。消費者は買い替え周期を従来の約3.5年から4年程度へ延長する動きを見せており、分割払いが購入の鍵となっています。インド市場は数量重視から単価重視へと構造転換が進みつつあります。