AIデータセンター反対運動、米で保守と左派が共鳴

超党派の反対

7割が地元建設に反対
共和・民主とも根強い反発
左派と重なる懸念の中身

保守派特有の懸念

中国製部品への安全保障不安
監視社会化やメンタルへの警戒
環境負荷と生活の質の低下

フロリダ州知事選の争点

20超の郡が建設一時停止
Donalds氏が党内で支持離れ
詳細を読む

米フロリダ州ハーナンド郡で7月、保守派の高齢住民らがAIの巨大データセンター建設に反対する抗議活動を行いました。保守系運動Humans Firstが呼びかけた全米約150カ所の一斉行動の一環で、参加者は雇用や環境、生活の質に加え、中国への安全保障上の懸念を訴えました。郡は6月に1年間の建設凍結を可決済みですが、住民はさらに全面禁止を求めています。

注目すべきは、この反発が党派を超えて広がっている点です。ギャラップの調査では米国人の約7割が自分の地域へのデータセンター建設に反対し、共和党支持者の約3分の2、民主党支持者の75%が同様の懸念を示しました。環境負荷やAIの倫理的問題、生活環境の悪化といった動機は、左派の主張とも重なります。

一方で、保守派には独自の懸念もあります。参加者は、データセンターの部品が敵対国とみなす中国から調達されている点を安全保障上の脅威と受け止めていました。さらに、AIを使った監視社会化や、対話AIへの過度な依存による精神面への影響にも警戒を強めています。

この動きはフロリダ州の政治にも影響を及ぼしています。州内では20を超える郡や自治体が建設の一時停止を議論・可決し、シトラス郡では住民の反発を受けて約800エーカーの計画が撤回されました。知事選の共和党有力候補Byron Donalds氏は建設推進の立場から、AI推進の政治団体などより500万ドルを超える献金を受け、党内支持層の離反を招いています。

住民らの怒りは、既存の党派の枠組みを揺さぶっています。生涯共和党員だという主催者の女性は、推進派の候補が予備選を勝てば民主党に投票するとまで語りました。データセンターへの反発は、経済成長とAI普及の是非をめぐり、新たな政治的連携を生む可能性があります。