AlphaFold改変でゲノム編集の誤りを低減
研究のポイント
編集の課題
技術の仕組み
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AI(人工知能)を使ったタンパク質構造予測ソフト「AlphaFold」を改変し、ゲノム編集の安全性を高める研究成果が科学誌ネイチャーに掲載されました。研究チームは、狙いと異なるDNA配列を書き換えてしまうオフターゲット効果の原因となるタンパク質の部位を特定し、そこを改良することで誤編集を減らすことに成功しました。ゲノム編集治療の実用化に向けた重要な一歩といえます。
ゲノム編集は、DNAを狙って書き換える技術として、この20年ほどで初めての治療法が登場し始めています。しかし普及の壁となってきたのが安全性の問題です。目的の遺伝子にはかなり正確に作用させられる一方、ヒトゲノムは非常に大きく、まれな配列でも偶然複数回現れることがあるため、誤った場所を編集してしまう恐れがあります。
当初のゲノム編集システムはいずれも、一定の確率でオフターゲット効果を起こすことが知られていました。1回あたりの確率は低くても、治療では多数の細胞を編集する必要があるため、誤編集は避けられないという課題がありました。そのため、誤りを最小化・排除する研究に多くの労力が注がれてきました。
ゲノム編集システムは主に三つの要素で成り立ちます。一つ目は標的の配列と結合するガイドRNAで、ほかのゲノム上の場所と似ていない配列を選ぶことが基本設計となっています。二つ目はCRISPRのCas9に代表されるCasタンパク質で、RNAとDNAの塩基対の正確さを担保します。
研究チームは今回、タンパク質構造予測AIであるAlphaFoldを改変し、Casタンパク質の中でオフターゲット効果を引き起こす重要な部位を特定しました。そのうえで、それらの部位を改良することで誤編集を抑えました。AIを活用した設計手法は、より安全なゲノム編集治療の開発につながると期待されます。