監視データを自社クラウドに残すgroundcoverが1億ドル調達
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可観測性(オブザーバビリティ)のスタートアップgroundcoverは7月31日までに、投資会社One Peakが主導するシリーズCで1億ドルを調達したと発表しました。累計調達額は1.6億ドルに達します。同社は有料顧客250社超、年間経常収益は過去1年で3倍と説明しており、AIが生む監視データの急増を追い風に既存基盤の置き換えを狙います。
AIはログや指標の量を押し上げています。コーディング支援でデプロイ頻度が上がり、マイクロサービスやKubernetes、大規模言語モデルが混在する構成が広がったうえ、エージェントがツールを呼び出して多段の処理を回すようになったためです。プロンプト実行、モデルの応答時間、トークン消費、検索パイプラインといったAI固有の監視項目も新たに加わりました。
ここで摩擦を生むのが料金体系です。データ取り込み量に応じた課金が主流のため、技術者はトレースのサンプリングや保持期間の短縮で支出を抑えてきましたが、それはAI時代に最も必要な文脈を自ら削る行為でもあります。共同創業者兼最高経営責任者のシャハール・アズレイ氏は「利用者はデータを制限し、分断し、サンプリングしている」と述べ、既存プラットフォームへの不満を指摘しました。
同社の答えがBYOC(自社クラウド持ち込み)という設計です。テレメトリの保存と処理はAWSやMicrosoft Azure、Google Cloudにある顧客自身の環境に置き、groundcoverは管理用のコントロールプレーンと操作画面だけを提供します。課金はデータ量ではなく監視対象のホスト数を基準とし、収集にはLinuxカーネル技術のeBPFを使うことでアプリへの計装作業を省きます。
視線の先にあるのは、人間だけでなくAIエージェントが使う監視基盤です。自然言語でログや指標、トレース、Kubernetesのイベントを横断調査できるAgent Modeを提供し、本番環境の状況をコーディングエージェントに戻す使い方を見込みます。ただし本番の変更には今も人間の承認が必要だと同社は強調しています。
市場はDatadogやDynatrace、Splunk、Grafanaなどが押さえ、Datadog単独で2025年通期に30億ドル超の売上を計上しています。Gartnerが100を超える製品を追跡する激戦区であり、成長率や顧客数は同社の自己申告で、コスト削減をうたう事例も第三者の検証を経ていません。BYOC構成でどのメタデータが顧客環境の外に出るのかは、導入前に確認しておく価値があります。