恋人の気配りを代行するAI、Orchidの広告に批判集中
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AIエージェントを手がけるOrchidが7月29日、恋人の家事や気配りを肩代わりするAIアシスタントの宣伝動画をXで公開し、利用者から批判を浴びています。記念日を忘れた男性の代わりにAIがレストランを予約し、恋人の好きな花まで手配する内容で、米誌WIREDが7月31日に一連の反応を報じました。
動画では、ゲームに没頭して記念日を忘れた男性サムが「自分でやれる」と入力すると、Orchidは「あなたには無理。だから私がいる」と返し、予約とユリの花の手配を進めます。恋人の女性もOrchidに相談しており、AIがすべての段取りをしたと知りながら、男性が手柄を得ることを黙認します。Xでは「自分が生きる世界に関心のない大きな子ども向けの宣伝」といった声が相次ぎました。
ロサンゼルスの公認結婚・家族セラピスト、ローレン・マーハー氏は「難しくても必要な対話を外注しようとすれば、カップルは関係の成長痛と向き合えなくなる」と指摘します。当事者同士が直接話さず第三者を介する三角関係化は、夫婦カウンセリングで長く戒められてきた振る舞いです。同氏は「解決策として売られているが、間接的なコミュニケーションは関係を悪化させることで知られる」と述べました。
AIアシスタントが恋愛の判断に役立つのかにも疑問符がついています。占星術アプリHintが米国・中南米・欧州の成人1万3000人超に実施した調査では、59%がAIの助言でかえって混乱したと回答し、47%は助言を受けて関係についての判断を先送りしたと答えました。助言が多すぎることが、決断をむしろ鈍らせているわけです。
事業面で見ると、この広告はおとりの色合いが濃そうです。Orchidが掲げる本来の狙いは「生活の自動化」で、連携済みのアプリをまたいで画面を切り替えずに作業を進めるワークフロー支援に軸足があります。ただしメッセージ機能を除けば、他のAIエージェントと何が違うのかは明確ではありません。
話題化を狙った広告だとしても、社名への言及量は確実に増えました。一方で、家事分担の偏りや関係への不満といった問題は、タスク管理の自動化では解けません。AIエージェントを導入する経営者やリーダーにとっては、任せてよい作業と任せてはいけない対話の線引きこそが問われる事例です。