EON、宇宙レーザーでAIデータセンター接続へ
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米国のスタートアップ、エンデバー・オプティカル・ネットワークス(EON)が8月4日、ステルス状態を脱し、1075万ドルのシード資金の調達を発表しました。ゼネラル・カタリストとアンドリーセン・ホロウィッツが出資しています。同社はレーザーを搭載した衛星群で大陸をまたぐデータセンター同士を結び、海底光ファイバーに代わる回線を宇宙に築く計画です。
背景にあるのは、海底ケーブルの脆さです。ハイパースケーラーが世界中にデータセンターを建てる一方、それらをつなぐ海底光ファイバーは敷設も修理も難しく、電波は帯域が足りません。海底ケーブルの毎秒200テラビットという水準に対し、EONはまず毎秒2.4テラビットの実現を目指します。
計画では約20機の衛星を打ち上げ、1機が2つの大陸を結ぶ専用回線を担います。初期の編成でも24時間の接続を確保し、地上局は地域ごとに冗長化したうえで気象データを活用し、雲による通信の途切れを避ける考えです。最大の技術課題は、大気を通過する際にレーザー信号が歪む点だとしています。
調達した資金は光学ラボの整備と技術者の採用、地上試験に充てます。2027年末ごろに実証衛星の打ち上げを予定し、下り回線で少なくとも毎秒800ギガビット、条件次第で1テラビットの通信を狙います。衛星本体はApex Spaceなどの既製品を購入し、レーザーを向けるジンバルなど光通信端末の開発に資源を集中させます。
同じ市場にはブルーオリジンも参入し、5048機の衛星で最大毎秒6テラビットを提供するTeraWave構想を掲げています。規模ではブルーオリジンが上回りますが、EONは小規模な編成を早く軌道に乗せる戦術です。調査会社クイルティ・スペースのケイレブ・ヘンリー氏は、衛星通信が最後の手段から信頼できる基盤に変わりつつあると認めつつ、データセンター向けの最適化は起業家が語るより時間がかかると指摘します。
ホロウィッツ氏は「当社のルールは一つ、物理の問題は扱わないことだ」と語り、宇宙にデータセンターそのものを建てる構想より現実的だと主張します。フランスとオーストラリア間のような長距離路線や、アフリカと南米の間のようにインフラの乏しい経路を狙い、専用帯域をハイパースケーラーやAI企業に販売する計画です。