デルフト工科大、LLMで自動運転車の走行様式を調整

仕組みと動作フロー

自然言語の要望をLLMが解釈
速度や滑らかさを調整
変更前に内容を提示し確認
承認後にコントローラへ反映

検証結果と展望

nuPlanで合流走行を検証
8種の指示で意図通り調整
安全範囲内でのみ変更可能
直接制御より解釈重視の設計
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オランダのデルフト工科大学(TU Delft)の研究チームは、大規模言語モデル(LLM)を用いて自動運転車の走行スタイルを乗客の言葉で調整できるシステムを開発したと発表しました。「急いでいるので速く走って」といった自然言語の要望を、車両のモーションプランナーが使うパラメーターに変換する仕組みで、研究チームは論文をarXivに投稿し、9月開催の国際会議で発表する予定です。

自動運転車には、安全かつ効率的な経路を選ぶ「モーションプランナー」と呼ばれる機能が搭載されています。従来はエンジニアが事前に速度や旋回の滑らかさなどを調整しており、乗客が走行中に好みを反映させる手段はほとんどありませんでした。今回のシステムは、この制約を乗客との対話によって解消しようとするものです。

研究チームは、OpenAIの「GPT-4o-mini」を使い、乗客の要望と走行状況の説明を読み取らせ、経路選択の判断基準となる速度や操舵角、衝突確率などの重み付けを調整します。LLMが直接車両を制御するのではなく、安全な基準値の範囲内で各基準を上下させる仕組みのため、モデルが誤った判断をしても危険な挙動には直結しにくいとされています。

システムは変更を反映する前に、実施内容を平易な言葉で乗客に提示し、承認を得てから調整を行う「ヒューマン・イン・ザ・ループ」設計を採用しています。乗客は提案に同意するだけでなく、追加の要望を伝えることも可能で、意図が正しく伝わらなかった場合の修正手段にもなります。

研究チームはシミュレーター「nuPlan」を用い、高速道路への合流など複数の走行シナリオで検証しました。8種類の異なる指示に対し、快適さを求める要望には滑らかな走行を、急ぎの要望には速度を高める調整を行い、意図に沿った挙動を確認できたとしています。

専門家からは、LLMを制御系から分離することで安全性を担保しやすい利点が指摘される一方、走行の安全性を数学的に検証する仕組みまでは備えていない点も課題として挙げられています。研究チームは今後、実車での検証や、状況説明を車両のセンサー情報から自動生成する仕組みの開発を目指すとしています。