MIT研究者Ila Kumar氏、若者と技術を共創
当事者中心の設計
若者支援への実装
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MITメディアラボのライフロング・キンダーガーテン・グループで博士課程の最終年を迎えるIla Kumar氏は、児童福祉制度に関わり、幼少期のトラウマを経験した若者とともに、心の回復やつながり、自立を支える技術を設計しています。研究者だけで解決策を決めず、利用する若者や臨床家、支援組織を初期段階から巻き込むコミュニティ主導の設計を、持続的な効果を生む条件と位置づけています。
Kumar氏はペンシルベニア大学卒業後、技術とメンタルヘルスや心理学研究が交わる複数のプロジェクトに携わりました。しかし「社会に良い技術」を掲げても長期的な効果が見えない経験から、技術を捨てるのではなく、地域の人々と一緒に作る方法へ研究の軸を移しました。
Stepping Forward LAとのプロジェクトでは、当事者の意見を取り入れ、文章中心のやり取りを視覚的なコラージュに置き換えました。言葉にしにくい感情の表現と若者同士のつながりを助ける狙いです。Justice Resource Instituteとは、若者が治療計画に主体的に参加し、診療室外でも自らの目標に取り組めるモバイルアプリを、若者や臨床家と設計・評価しています。
Foster Americaと10カ月にわたり運営した技術リーダーシップの活動では、里親制度の経験者と技術専門家が、児童福祉のケアの空白をデジタル技術でどう補うかを検討しました。ここから、若者のニーズだけでなく、社会福祉サービスも設計過程に参加する重要性が浮かび上がりました。
トラウマを経験した若者が、養育者の知らないところでAIを重要な人生判断に使っている実態を知り、Kumar氏は支援者が若者とAIについて話すための研修も実施しています。さらに児童福祉制度の若者を一対一で支える裁判所任命の特別擁護者として活動し、MITとハーバード大学の研究者を結ぶ実践共同体も設立しました。技術の未来は、コミュニティーのために決めるのではなく、コミュニティーとともに決めることにあると訴えています。