Salesforce、モデル固定でブラウザ課題93%達成

進化させる仕組み

モデル重みの固定
複数ハーネスの並行進化

検証での改善

ブラウザ課題で93%
全4ベンチマークで向上

導入に必要な条件

回帰試験基盤の整備
長期・複雑業務への適用
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Salesforce AI Researchなどは、基盤モデルの重みを変えず、AIエージェントを囲む指示、ツール、スキル、作業手順を進化させる新手法「DarwinX」を開発しました。VentureBeatが2026年9月16日に報じた研究では、GPT-5.5を固定したブラウザ課題の達成率が43.5%から93%へ上昇し、開発者が制御できる周辺設計の改善余地を示しました。

DarwinXは一つのハーネスを繰り返し修正するのではなく、複数の派生版を作って保管し、有望な分岐を並行して進化させます。候補は新しい課題を解けるだけでなく、以前に解けた課題での後退を許容範囲に抑え、再試験による確認を通過して初めて次の改良へ影響します。

この方式は、初期の修正に後続の改善が縛られる「経路依存」と、ある作業の改善が別の作業を壊す「作業間干渉」を抑える狙いです。総合点が低くても特定課題に強い派生版を残し、異なる強みを組み合わせた後に回帰試験を行います。

最大の改善はWebArena-Infinityで確認され、300件の合成課題でハーネスを進化させた後、1260件の未見課題を決定的な判定器で評価しました。ほかにもTerminal-Bench 2.1で75.5%から83.2%へ、別環境へ移したSWE-bench Verifiedで80.8%から84.2%へ向上したと研究者は報告しています。

モデルの再学習環境を持たない開発者でも、指示やツールなど自社が管理する層で改善できる点が実務上の利点です。Salesforceは実験基盤「Beagle」をApache 2.0で公開しており、独自エージェントを持ち込めますが、実験対象のMonetは非公開です。

一方、複数候補の反復評価と過去課題の再試験には、手作業の修正より多くの計算資源と評価基盤が必要です。結果を確実に判定できる長期・複雑な業務には向きますが、固定入力をAPIへ渡すだけの単純で安定した処理では、仕組みの複雑さに見合わないと研究者は説明しています。