数学者、OpenAIへの不信抱え利用継続

成果と帰属の亀裂

未解決問題での先行争い
人の貢献追跡に限界
OpenAI発表の記載修正

手放せない効率

論文整理を担うCodex
ChatGPTによる執筆加速

ルール整備の要請

25人の受賞者による警告
若手研究者の孤立リスク
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ニューヨーク大学の数学者トリスタン・バックマスター氏は2026年9月、OpenAIがナビエ・ストークス方程式の未解決問題で自身の研究手法を利用したとの疑念を示しました。一方で同氏は、論文整理やAIの推論経路の分析にCodexを使い続けています。数学者の間では、研究成果の帰属や学習データへの不安が広がる半面、作業効率の高さからAIを手放せない状況が鮮明になっています。

100万ドルの懸賞がかかる同問題を巡り、バックマスター氏はAnthropic研究者とCodexClaudeを使って研究していました。同氏は、解決が近いと知った後にOpenAIが数万のエージェントを投入したと主張していますが、OpenAIは調査の結果、同氏のCodexへの入力は学習を含め自社システムに影響し得なかったと発表しました。

ドイツ数学者アンドレアス・トム氏も、OpenAIのAstraが自身らの手法を使った証明を公表した際、関連する2019年の論文が見過ごされたと指摘しました。OpenAIは発表文を修正し、同氏らのChatGPTでの対話を学習に使っていないと説明しましたが、トム氏は実際の貢献経路を追跡するのは難しいとみています。

それでもトム氏は、論文執筆を速めるため、学習への利用を止めるプライバシー設定でChatGPTを使い続けています。コーネル大学のアレックス・タウンゼント氏も、同僚が高性能モデルの契約方法を調べ始めたと述べ、効率性と不安の同居を指摘しました。

数学界では25人のフィールズ賞受賞者がAI企業との深刻な認識のずれを訴え、4,000人超が研究者や資金提供者らへの提言を含むライデン宣言に署名しました。バックマスター氏は結果公表や文献引用の共通ルールを整えるまで一時休戦を求め、若手研究者がAIを使わず孤立する事態を避ける移行策も必要だとしています。