AI時代、エンジニアに求められるシステム思考
詳細を読む
IEEE会員でGoogleのシニアリーダーを務めるスフィアン・アルドゴム氏は、AI時代のエンジニアにシステム思考が重要になると論じています。AIは調査、設計案の生成、シミュレーションなどを速めますが、安全性や利用環境、目的に照らした最終判断は人が担います。エンジニアの役割は個々の作業に加え、AIと複数分野の専門家をどう組み合わせるかを設計することへ広がります。
医療機器の開発なら、ソフトウェア技術者はAIで医学研究やデータを調べ、初期モデルを作れます。ただし、それで医師や生体医工学の専門家に代わるわけではありません。専門家に適切な問いを投げ、実際の使いやすさや安全性を確認する準備に活用できます。
AIの回答は説得力があっても、前提が弱かったり、特定のテストだけに通るコードを生成したりする恐れがあります。技術的な要件はエンジニアが検証し、臨床現場の実用性は医療従事者や患者の視点も踏まえて評価する必要があります。目的や制約が変われば、当初の問題設定を見直すことも求められます。
著者はIEEEなどの専門組織に、分野をまたぐコミュニティづくりや、人とAIの協働に関する実務基準の整備を提案しています。AI生成物をいつ検証するか、不確実性をどう記録するか、誰が判断と結果に責任を持つかを共有する考えです。AIが技術作業を担う範囲が広がっても、何を解くべきかを決め、根拠を評価し、結果に責任を持つことがエンジニアの中核だとしています。