Brox、実在の6万人をAIで複製し市場調査を即時化
出典:VentureBeat
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スタートアップのBroxは、実在する6万人の「デジタルツイン」を構築し、従来12週間かかっていた市場調査を数時間で完了できるサービスを発表しました。同社は戦略的資金調達ラウンドを完了し、前年比10倍の売上成長を報告しています。CEOのHamish Brocklebank氏は「これらのデジタルツインは実在する個人の1対1のレプリカだ」と説明しています。
Broxの技術は、LLMで生成した架空のペルソナではなく、実際に採用・報酬を支払った被験者への数時間にわたるインタビューに基づいています。1人あたり最大300ページのテキストデータを蓄積し、生い立ちや人間関係、意思決定の動機まで掘り下げます。予測結果には「推論チェーン」が付与され、なぜその反応が起きるのかをステップごとに説明できる点が、既存の合成データとの大きな違いです。
主な活用分野は金融と製薬の2領域です。金融では、地政学的リスクに対する預金者の行動予測に使われ、製薬ではワクチン忌避の変動や政治的発言が処方行動に与える影響をシミュレーションします。高額資産家の協力を維持するため、株式連動型報酬(SAR)を付与するユニークなインセンティブ設計も採用しています。
料金体系は年間10万ドルからの定額SaaSモデルで、大規模契約では最大150万ドルに達します。利用回数の上限はなく、何千回ものシミュレーションを追加費用なしで実行可能です。現在は米国、英国、日本、トルコの4カ国で展開しており、中東やAPAC地域への拡大を計画中。従業員14人の少数精鋭ながら、Scribble VenturesやWonder Venturesなどが出資しています。