Nanoleafがロボット・AI・健康分野へ事業転換

スマート照明の限界

Matter普及で照明のコモディティ化進行
Ikea等が低価格スマート電球を投入
過去2年間の新製品投入が停滞

AIとロボティクスへの挑戦

エンボディドAI製品を年内3種発売予定
AI玩具・デスク型コンパニオン・ロボコントローラを開発中
照明のオープンAPI公開とオープンソース化を計画

健康デバイス事業の拡大

赤色光セラピーマスクがトップセラーに成長
加温・振動機能付き新製品4種を年内投入
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スマート照明で知られるNanoleafが、ロボティクス・AI・ウェルネスの3分野へ事業を大幅に転換する方針を明らかにしました。CEOのGimmy Chu氏は「スマートホームは退屈になりつつある」と述べ、Matterなどのオープン規格の普及によりスマート照明がコモディティ化している現状を転換の理由に挙げています。

AI分野ではエンボディドAI(物理世界と連動するAI)に注力します。年内にAI搭載の玩具、デスクコンパニオン、ロボット用マイクロコントローラの3製品を投入する計画です。Chu氏は「単にスピーカーにChatGPTを入れるのではなく、実際に役立つハードウェアに知能を組み込む」と差別化の方向性を示しました。幼児の発達支援に関連する製品も含まれるとしています。

ウェルネス事業では、2025年に発売した赤色光セラピーマスクが同社のトップセラー製品の一つに成長しています。LED照明とサプライチェーンの専門知識を活かし、米国市場で手頃な価格帯を実現しました。今年はさらに加温・マッサージ・振動機能を備えた新製品4種を発売する予定です。

一方、照明事業も継続します。売上の80〜90%は依然として照明が占めており、Matter 1.4対応を近日中に展開し、年内にはMatter 1.5対応製品も発売します。全製品のAPIをオープン化し、将来的にはコードのオープンソース化も視野に入れています。Chu氏は「デバイスをオープンにするほどAIとの互換性が高まる」とIoTの将来像を語りました。

ただし、この戦略転換にはリスクも伴います。AI搭載コンパニオンやウェルネスガジェットの市場は、科学的根拠と過剰な期待が混在する領域です。既存のスマート照明ユーザーからは、新分野への投資よりも照明エコシステムの強化を求める声も上がっています。Matterの普及でデバイスの差別化が困難になる中、Nanoleafが独自のポジションを築けるかが今後の焦点となります。