GMがAIで車設計を短縮、月面ローバーにも適用
適用領域の拡大
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米ゼネラル・モーターズ(GM)は2026年6月、AIとシミュレーションを活用して自動車などの開発期間を大幅に短縮する取り組みを公開しました。中国のBYDなどが2年以内で新型EVを市場投入する速さに対抗する狙いです。陣頭指揮を執るのは、テスラのオートパイロット開発やオーロラ・イノベーション共同創業で知られ、昨年6月に最高製品責任者として迎えられたスターリング・アンダーソン氏です。
中核となるのは、これまで個別に開発していた電装や熱制御、安全、操縦性などの機能を単一の仮想開発ツールに統合する手法です。アンダーソン氏によると、構造エンジニアは設計変更が完成車に与える影響を、従来の15時間に対しわずか1分ほどで確認できるようになりました。物理的な試作前にハードとソフトを同時に最適化できる点が特徴です。
効果は具体的な数字に表れています。フロント部の衝突解析は確率を用いたAI手法により、15時間の計算が1分未満に短縮されました。電動の「GMCハマー」は設計から店頭まで2年と、通常の4〜5年から開発期間が半減したといいます。自動運転開発では1日で100日分の走行を再現し、週におよそ200万回のシミュレーションを実行しています。
適用範囲は乗用車にとどまりません。GMはこの手法を自動運転車やLMR電池、キャデラックのF1参戦、軍事防衛システム、そしてNASAのアルテミス計画向け月面ローバーにも広げています。技術者はソフト上で重力を調整し、ミシガン州の室内で月面のタイヤ開発に必要な走行条件を再現できると説明します。
象徴的なのが、収益性の高いシボレー・コルベットへの応用です。重い複合素材のハッチを支えるブラケットの設計に生成的な物理ベース設計を用い、木の根のような形状で従来品より軽く硬く耐久性の高い部品を生み出しました。フィッシャー氏は「これがGMの新たな標準になりつつある」と語っています。