ポーカーAIの旧DeepMind勢、評価額500億円に

資金調達の概要

評価額5億ドルに到達
Creandum主導のSeries A
同社過去最大級の単独投資
拠点はチェコ・プラハ

技術と実績

強化学習を株取引へ応用
S&P500;やNasdaqで日々巨額売買
創業来マイナス月ゼロを主張
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DeepMind出身の研究者3人が設立したプラハのAIラボ「EquiLibre Technologies」が2026年6月、Series A調達を経て評価額5億ドルに達したことが分かりました。彼らはかつてポーカーで人間を破ったAIを開発し、その強化学習技術を株式取引へ応用しています。出資を主導したのはCreandumで、同社が一度に行った単独投資としては過去最大だと明かしました。

中心にあるのは強化学習です。これは自己学習するモデルに報酬を与えて訓練する手法で、CEOのマーティン・シュミット氏は「取引と市場は採点が極めて単純で、エージェントがいくら稼いだかで評価できる」と語ります。ポーカーと金融市場はいずれもこの手法と相性が良いという点が共通しています。

実績も具体的です。クオンツ大手Tower Research Capitalと組み、同社のアルゴリズムはS&P500;やNasdaqで日々数十億ドル規模を売買してきました。2025年の暗号資産市場での運用開始以降、各月をプラスで終え「創業来マイナスの月はゼロ」という記録を主張しています。

創業者のシュミット氏、CTOのルドルフ・カドレツ氏、CSOのマテイ・モラフチーク氏は金融出身ではありません。3人はカナダ・アルバータ州エドモントンにあったDeepMindの研究拠点で、無制限ポーカーでプロを初めて破ったAI「DeepStack」を開発しました。助言役には強化学習で2024年にチューリング賞を受けたリッチ・サットン氏も名を連ねます。

一方で競争のリスクも残ります。取引大手のJane Streetはすでに強化学習やLLMを使うと表明し、数万基規模の高性能GPUを持つとされます。これに対しEquiLibreは少ないチップ「より少ない資源でより多く」を狙う構えです。今後は中東欧でも有数規模の計算基盤の構築を計画しています。

シュミット氏は自社を「金融会社ではなく、まずラボだ」と位置づけます。目標は「取引分野のAIラボ」として知られることですが、本人は市場を効率化したいからではなく「誰も作ったことのないものを作るのが楽しいから」だと述べます。そのうえで「これは勝者総取りの市場ではない」と語り、競争の先に敗者なき余地があるとの見方を示しました。