MIT新任教授、市民会議の公平な抽選手法を開発

MIT

研究の狙い

市民会議参加者の無作為抽選
自己選抜による偏り是正
公平性と操作耐性の両立

経歴と展開

政治学とEECSの兼任教授
医学から経済学への転身
アルゴリズムをpanelot.orgで公開
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米マサチューセッツ工科大学(MIT)は2025年秋、ベイリー・フラニガン氏を計算機科学と政治学を兼任する新任教授として迎えました。フラニガン氏は市民の政治参加を意味あるものにするため、計算・数理の道具を使って民主的な意思決定の質を高める研究に取り組んでいます。専門分野を横断する経歴が、その独自の視点を支えています。

中心となるのが、市民会議の参加者を無作為に選ぶアルゴリズムです。市民会議では、進んで参加する人が若く高学歴で技術に関心が高い層に偏りやすく、本来当事者であるはずの他の集団が過小代表になりがちです。フラニガン氏の手法は、個人の参加機会の平等、選考過程の操作への耐性、透明性といった要素を調整し、代表性の偏りを是正します。

これらの要素は、意思決定を担う集団が正当性を持つと世間に受け止められるかどうかを左右します。フラニガン氏は、政治的な解決策が実効性を持つには、市民が「正当な過程を経て導かれた」と感じることが不可欠だと考えています。開発したアルゴリズムは、市民会議の参加者抽選を支援する公開サイトpanelot.orgで実際に使われています。

同サイトは技術的なトレードオフを実務者にわかりやすく示し、優先順位に応じて最適化する仕組みです。フラニガン氏はウィスコンシン州の農場で育ち、医学やバイオ工学、公衆衛生、経済学と関心を移しながら、最終的にカーネギーメロン大で社会的選択と民主的意思決定の研究にたどり着きました。「誰が何をなぜ得るのか」という問いが、その一貫した動機となっています。

現在は市民会議にとどまらず、複雑な決定について公衆の意見をより体系的に集める方法や、質問の形式が回答の内容にどう影響するかへと研究を広げています。政治学とEECSの双方に身を置くことで、直接的な統治を支える道具の政治面と技術面を深く探究できる点に、大きな意義を見いだしています。