Inflection AI、対人関係重視のAIで消費者市場に復帰
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米カリフォルニア州パロアルトのスタートアップInflection AIは7月22日、消費者市場への復帰を発表しました。公開研究部門「Inflection AI Labs」と、利用者の人生の局面に適応する実験的製品「Pi Journeys」を投入し、AI競争の次の主戦場は知能の高さではなく人と人との関係性だとする独自の主張を打ち出しました。
CEOのショーン・ホワイト氏は、現在のAIアシスタントは質問すれば答えて終わる取引型にとどまると指摘します。同社は知能の進化をIQ、感情知能、エージェント知能に続く第4段階として、周囲の人間関係まで理解する関係性知能を掲げ、ここに社運を賭ける構えです。
Pi Journeysは利用開始時に介護者や子育て中といった人生の局面を尋ね、身近な人々を軸にした記憶を構築します。友人への連絡を促したり、家族の介護に関する前回の会話を思い出させたりと、能動的に働きかける記憶の補助装置として機能します。同時に公開した消費者AI調査では、平均的な利用者が1日に約2種類のAIを使い分けている実態も示しました。
背景には2024年3月のマイクロソフトによる異例の引き抜きがあります。同社は共同創業者兼CEOのムスタファ・スレイマン氏や主任研究者、約70人の従業員の大半を採用し、技術のライセンス供与を主目的にInflection AIへ約6億5000万ドルを支払いました。2023年に総額15億ドル超を調達しPiの1日の利用者が100万人を超えた同社は、事実上その中核を失いました。
ホワイト氏はその後、企業向けへ軸足を移して3社を買収しましたが、今回は消費者を軸に両輪を橋渡しする戦略だと説明します。同氏は約半年後には企業も社内の人間関係を重視し始めると予測し、消費者製品を企業向け技術の実験場と位置づけます。巨額を投じる競合との差は大きい一方、大手が手薄なモバイル・音声中心の日常利用に照準を定めた点に勝機を見いだしています。