Xの収益分配でAI作り話が量産、投稿者に数百ドル
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米メディアのWIREDは7月31日、X(旧Twitter)でAIが生成した一人称の作り話が急増し、投稿者がXの収益分配制度で報酬を得ている実態を報じました。ナイジェリア在住を名乗る21歳の投稿者は、GrokやChatGPTに指示して家庭内の冤罪劇を量産し、2週間ごとに500〜700ドルを受け取っていると明かしています。
Xの「Creative Revenue Sharing」は、Premium加入と認証フォロワー500人以上、直近3カ月で500万インプレッション以上という条件を満たした投稿者に、エンゲージメントに応じて支払う仕組みです。同社は「本物で質の高いコンテンツ」を促す狙いを掲げますが、拡散した投稿にお金を出す設計は悪用されやすい構造でもあります。
オーストラリアのRMIT大学デジタル民族誌研究センターのロブ・カバー教授は、これらの投稿が定型詩のように様式化されていると指摘します。不当な解雇や立ち退き、司法の行き過ぎといった怒りを誘う導入が置かれ、その後に弱者が救われ加害者が公然と辱められる展開が続く、という二段構えです。
生成の手間はほとんどかかりません。AI文章を研究するメリーランド大学博士課程のジェナ・ラッセル氏は、使い古された型に沿ってAIに書かせるだけで、最小の労力で最大の反応を引き出せると語ります。実際、こうした投稿は数十万から数百万回の表示を集め、数百件の「いいね」を得ることも珍しくありません。
Xは2025年5月、AI生成の偽コンテンツを投稿し、ボットによる反応の水増しで報酬を不正に得たとして、ベトナム人投稿者8人と身元不明の25人を提訴しました。今年4月には他社ニュースの寄せ集め投稿への支払いを削り、7月16日には他者の投稿を盗用した数百万件を削除したと公表しています。
一方で、AI製メロドラマそのものへの扱いは示されておらず、xAI傘下となった同社は取材に答えませんでした。読者の公正さへの渇望と報復願望を突く空虚な物語が収益と結びつく構図は、AIによる文章生成の普及とともに広がる可能性があります。