ハーバード大歴史学者、テック企業の人工国家化を批判
出典:TechCrunch
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ハーバード大学の歴史学者でピュリツァー賞受賞者のジル・レポア氏が、2026年8月7日公開のTechCrunchのポッドキャスト「Equity」で、近刊書『人工国家の興亡』の主張を語りました。テック企業が民主的な政府の機能を少しずつ肩代わりしており、その経営者は技術の進歩を政治の進歩と取り違えているというのが中心的な見立てです。
レポア氏が例に挙げるのは、Twitterが有権者像をゆがめて映してきたことや、Facebookが地域報道を押しのけてきたことです。製品を語る言葉が「ポケットの中のタウンホール」のように壮大になるのは、企業が新しい統治機構を名乗ろうとしているからだと同氏は見ます。実際に、国民国家に取って代わると公言する起業家も現れています。
番組では、1984年のMacintoshの広告から、Anthropicが公開したClaudeの憲法、そしてサム・アルトマン氏の「AI大統領」発言まで、一本の線が引けると論じています。AIが政府をより効率的で応答性の高いものにし、いずれ不要にするという約束は、目新しい包装をまとった古い空想だという指摘です。
その設計図として持ち出されるのが、E.M.フォースターが1909年に発表したSF小説「The Machine Stops」です。レポア氏はこれが今読むと「とても不幸なYouTuberの日記」のようだと述べ、シリコンバレーの指導者はSFの読み手として下手だと評します。
同氏は人工国家が最終的には持続不能だと見ており、それを抑えるために何が必要かも番組で語っています。企業が公共の役割をどこまで担うのか。AIで組織の生産性を高める立場にある経営者にとっても、自社のサービスが社会のどの機能を置き換えつつあるのかを問い直す材料になります。