AI学習用に希少本を裁断、古書店が購入増を指摘
破壊スキャンの実態
背表紙を切断しページ廃棄
最速・最安のスキャン手法
報道以上の規模との懸念
速度とコストの壁
数百万冊でコストと時間増
希少本は手作業が前提
出典:Ars Technica
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米メディアのArs Technicaは8月12日、AI企業が学習データを得るために希少本を大量に買い集め、裁断して廃棄していると古書店主らが疑っていると報じました。背表紙を切り落としてページを高速でスキャンする手法は最も安く速い一方、物理的な本は永久に失われます。書籍にしかない質の高い長文テキストを求めるモデル開発競争が、この動きを後押ししています。
破壊的なスキャンが選ばれるのは、コストと速度の面で圧倒的に有利だからです。The AtlanticやTelegraphなども同様の実態を伝えており、書籍愛好家の間では報道されている以上の規模で進んでいるとの見方が広がっています。古い本はAIが生成した文章、いわゆるAIスロップに汚染されていない点でも価値が高いとされます。
ただ、本を壊さずに済む方法が存在しないわけではありません。Googleは2009年に非破壊のブックスキャン技術で特許を取得しており、AI企業が時間と投資を惜しまなければ同じ手法を使えます。速度を最優先しない選択肢は、技術的にはすでに用意されているのです。
もっとも、この技術は万能ではありません。ページの湾曲で文字が歪んだり、ページが読み飛ばされたりする問題が研究で指摘されており、Wiredは作業員が急ぐあまり手がページに写り込む不具合を報じています。希少本の扱いに最適とは言い切れないのが実情です。
図書館の蔵書保存を支援するInternet Archiveは、古い資料のスキャンには時間と注意が必要で、扱いを最小限に抑える人の手による作業が欠かせないと考えてきました。数百万冊を最短で処理したい企業にとって、この前提はコスト面の重荷になります。速さと保存のどちらを優先するのか、AI業界は選択を迫られています。