JuliaHub、AIエージェントでボーイング機体設計

MIT発の起源

2009年、MITで着想
Julia、利用者100万人超

Dyad 3.0始動

Dyad 3.0を4月公開
ボーイングと航空機設計に活用
設計書から機体を自動生成

産業への応用

モデルナのワクチン開発に貢献
Meta音声コーデックにも採用
航空機衝突回避システムにも活用
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2009年にマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者らが着想したプログラミング言語Juliaが、利用者100万人を超える世界的な言語に成長しました。開発を担うJuliaHubは現在、AI基盤Dyad 3.0を通じてボーイングなどの企業と提携し、設計図をもとに航空機を自動設計するエージェント技術の実用化を進めています。

開発の出発点は、科学者や研究者向けの計算言語が遅く使いにくいことへの不満でした。数学者のアラン・エーデルマン教授やヴィラル・シャー氏らMITの研究者は2009年にJuliaラボを設立し、2012年にブログでJuliaを発表しました。想定より早く多くの研究者から反響を得たといいます。

Juliaは高速な数値計算に強みを持ち、ブラックホールの撮像やレース車両の解析、半導体設計など幅広い分野で使われています。利用者の増加に伴い、開発チームは2015年にJuliaHubを設立し、MITのデシュパンデ・センターなどの支援を受けて事業化を進めました。

Juliaで構築された創薬モデリング基盤は、モデルナの新型コロナワクチン開発の加速に貢献しました。航空機の衝突回避プログラムは、Python版より約50倍高速化しました。Metaは、WhatsApp音声コーデック開発にもJuliaを採用しています。

JuliaHubは2025年6月にAIエージェント「Dyad」の初版を公開し、2026年4月に最新版Dyad 3.0を発表しました。物理法則を検証する「フィジックスコンパイラー」として機能し、ボーイングなど顧客企業と共に、設計文書から航空機全体を自動設計するエージェントハードウェア設計に取り組んでいます。

シャー氏は、Dyadの活用により製品設計の期間を大幅に短縮できると説明しています。エーデルマン教授の授業でも学生がDyadでロケットエンジンを設計する例が生まれるなど、Juliaを核とした自動設計技術は教育現場にも広がりつつあります。