詳細を見る
米国のAIスタートアップTavusは、音声と顔のクローニング技術を用いた「AIサンタ」の提供を開始しました。昨年に続く2年目の取り組みですが、今年は感情認識や長期記憶といった高度な機能を搭載し、大幅に進化しています。創業者によると、ユーザーが1日に数時間も話し込むケースが見られるなど、極めて高いエンゲージメントを記録しています。
今年のAIサンタは、同社のリアルタイムAIエージェント基盤「Tavus PAL」によって駆動されています。ユーザーの表情やジェスチャーを視覚的に認識して反応するほか、過去の会話内容や興味を記憶することで、よりパーソナライズされた体験を提供します。さらに、プレゼントのアイデアをWebで検索したり、メールの下書きを作成したりするなど、自律的なアクションも可能です。
実際のテストでは、特定のゲームタイトルについて掘り下げるなど、文脈を理解した自然な会話が確認されました。CEOのHassaan Raza氏によれば、昨年の数百万アクセスを大幅に上回るペースで利用が拡大しており、多くのユーザーが日々の利用制限に達するほど熱中しています。一方で、AI特有の長い沈黙や声の抑揚など、改善の余地も残されています。
長時間のAI対話がもたらす子供への影響も懸念されますが、Tavusはこれを「家族で楽しむ体験」と位置づけています。不適切な会話を防ぐコンテンツフィルターの実装や、必要に応じたメンタルヘルスリソースへの誘導など、安全対策を強化しています。また、収集されたデータはユーザーの要求に応じて削除可能であり、プライバシー保護にも配慮されています。