Microsoft幹部、OpenAIのAmazon流出を懸念していた

提携初期の内部対立

Dota 2研究で3億ドル要求
Azure幹部は費用対効果に懐疑的
Xbox連携の代替案も浮上

関係変化の転機

CTO、当初はAI研究を軽視
自然言語処理への転換で評価一変
10億ドル出資を2019年に決定

現在への示唆

OpenAIAWS展開を開始
当時の懸念が現実化する構図
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Musk対Altmanの裁判で提出された社内文書により、MicrosoftOpenAI提携初期における幹部間の緊張関係が明らかになりました。2017年夏、OpenAIがDota 2のプロ選手に勝利するAIボットを公開した直後、Altman氏はNadella CEOに対し、次の研究フェーズとして「Azureの定価で約3億ドル相当」の計算資源を要求しています。

この金額に対し、当時Azure責任者だったJason Zander氏は「5億ドル以上の増収が見込めなければ意味がない」と懐疑的な見解を示しました。OpenAI側はXboxとのゲーム分野での連携という代替案も提示しましたが、Xbox部門だけでは研究費用を賄えないと判断されています。

2018年1月、Kevin Scott CTOはNadella氏への書簡で、投資の見返りに確信が持てないとしつつも、OpenAIが「Amazonに駆け込んでAzureの悪口を言いふらす」リスクを指摘しました。AI業界での影響力を急速に高めるOpenAIを敵に回す代償を意識した発言です。

Scott氏はその後、ゲームAIを軽視していた自身の認識を反省し、OpenAIが自然言語処理モデルに軸足を移したことで評価を大きく改めました。2019年7月、Microsoft10億ドルの大型出資を正式に発表しています。

約7年を経た現在、両社の関係は大きく変容しています。OpenAIは契約を再交渉し、AIモデルやCodexAWSでも提供する方針を発表しました。社内メモでは「Microsoft独占契約が企業顧客への対応を制限してきた」と記されており、Scott氏がかつて恐れた「Amazon流出」のシナリオが、形を変えて現実となりつつあります。