靴のAllbirdsがAI基盤企業Smartbirdへ転換
事業転換の中身
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米靴ブランドのAllbirdsが2026年6月、AI基盤企業Smartbirdへと事業を転換しました。同社は靴事業を4300万ドルで売却し、株式市場でさらに1億ドルを調達。直販シューズ会社が一転して、ディープラーニング向けの計算資源を提供する企業へと生まれ変わりました。
新CEOには元AWS幹部で工学博士のNadia Carlsten氏が就任しました。直前まで欧州の計算企業DCAIを率いていた人物で、就任初日を迎えたばかりです。同社にはまだ従業員がおらず、Carlsten氏は「新しいチームを採用し、オフィスも構える。今はインフラ運用を率いる人材探しに取り組んでいる」と語りました。
Smartbirdが狙うのは、データ主権を重視する企業向けの専用基盤です。ハイパースケーラーやニュークラウドとは競合せず、企業内の自前プロジェクトを置き換える形を想定しています。製薬・エネルギー・金融・公共部門など、サーバーを直接制御したい顧客が主な対象です。
Carlsten氏は大規模なチップ調達は不要だと説明します。顧客のニーズは数百から数千個のチップ規模にとどまり、求められるのは規模ではなくクラスタの俊敏性とインフラ制御だと述べました。価格競争にも参入せず、専用サーバーによる効率化で差別化を図る構えです。
ただし成長性には不透明さも残ります。Hewlett PackardやEquinixがすでに同種の単一テナント型サービスを提供しており、クラウド事業ほどの拡大余地があるかは見通せません。Carlsten氏は年内に複数顧客向けの計算クラスタを展開する見込みだと語りました。
今回の転換で、Allbirdsは持続可能性を掲げた公益法人(PBC)の地位を手放しました。OpenAIもAI安全性を掲げるPBCですが、今回の方向転換はPBCの拘束力が必ずしも強固でないことを示しています。Carlsten氏の報酬は年俸70万ドルと約900万ドル相当の株式で、取締役会はAI戦略への長期的な関与を約束したとされます。