NVIDIA基盤で波力発電、AIデータセンターに電力供給
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イスラエルの新興企業Eco Wave Powerは6月22日、NVIDIAのAI基盤とデジタルツインを活用し、海の波を電力に変える技術を発表しました。既存の港湾や防波堤を使うため、電力需要が高まる港湾やAIインフラ拠点の近くに発電設備を展開できる点が特徴です。同社はNVIDIAの新興企業支援プログラム「Inception」に参加しています。
AIの拡大に伴い世界の電力需要が急増する一方、送電網の増強には許認可や用地取得で数年を要します。同社のイナ・ブラバーマンCEOは「波力は最大級の再生可能エネルギーだが、誰も実現できなかった。どう簡素化するかを考えた」と語ります。米エネルギー情報局によると、米国だけで波力は年間消費電力の6割超を生み出す潜在力があるといいます。
仕組みの起点は、防波堤や防潮堤に取り付けるフローターと呼ぶ浮体です。海水の密度は空気の約800倍あり、風力タービンより小型の装置で大きな電力を生み出せます。従来企業は機器を浮体内に置き荒天で損傷する課題を抱えていましたが、同社はコンピューターやセンサー、油圧変換装置を陸上の施設に集約し、高価な機器を波から守ります。
AIは発電システムの最適化を担います。NVIDIA Omniverseで構築した波や浮体のデジタルツインが、設置前に波の状態や構造の挙動をシミュレーションし、配置の最適化と展開リスクの低減を実現します。運用段階では予測分析や異常検知、予兆保全を通じ、リアルタイムで効率と耐障害性を高めます。
同社はイスラエルのヤッファ港や米ロサンゼルス港で事業を展開し、ポルトガルや台湾、インドでも新規開発を進めています。ロサンゼルス港では、既存の送電網に頼らず波力だけでデータセンターを動かす実証も始まりました。AIソフトが制御層となり、波が強まる時期を予測して負荷の重い計算処理を割り当てます。
ブラバーマンCEOは「冷却と水を必要とするデータセンターは港湾に移りつつある」と指摘し、AI工場と波力発電の直結に商機を見いだしています。「我々は存在し、稼働し、送電網にもつながっている。革新的だが未来の話ではない。それが我々の強みだ」と述べました。