NVIDIA Vera CPU、ロスアラモス研究所の科学AIを加速

スパコン3基

Mission・Vision・Veritas構築
HPEとNVIDIAが共同開発
Vera Rubinプラットフォーム採用
2027年の稼働予定

性能と用途

URSAで7倍の性能向上
エージェント型科学AIを推進
機密の核安全保障計算に対応
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半導体大手NVIDIAは2026年6月22日、米ロスアラモス国立研究所(LANL)が新設するスーパーコンピューター3基に同社の新型CPU「Vera」が採用されると発表しました。Mission、Vision、Veritasと名付けられた各システムは、HPEと共同で構築され、科学研究の高速化とエージェント型AIの実現を狙います。最先端の計算基盤が、仮説立案から実験までを自律的に担うAIを後押しする形です。

3基はいずれも、HPE Cray GX5000アーキテクチャとNVIDIAの「Vera Rubin」プラットフォームを基盤とします。Vera CPU、Rubin GPU、Quantum-X800 InfiniBandネットワークを組み合わせ、Missionには2,300基、Veritasには約1,150基の単体Vera CPUが搭載される計画です。Veritasは新技術を検証する役割を担い、より大規模なシステムへの応用を見据えます。

研究者が重視するのは、自ら仮説を立て、ツールを選び、シミュレーションを実行して結果を分析するAIエージェントです。LANLが公開する研究支援AI「URSA」はその方向性を示すもので、実験計画から結果分析までを支える枠組みとして開発されています。同研究所の検証では、Vera CPUがURSAの処理で従来のx86型スパコン「Crossroads」のCPUに比べ7倍の性能を示しました。

性能面の優位はほかの計算でも確認されています。熱伝導シミュレーションツール「Branson」での初期試験では、Veraが従来比3倍超の処理性能を発揮しました。独自設計のOlympusコアやLPDDR5メモリ、高速な内部接続が、こうした成果を支えています。

Veraは単体でx86系CPUの1ソケットを3倍超上回り、コア当たりメモリは4倍超、ノード当たりでは6倍に達します。Missionは2027年の稼働を見込み、国家核安全保障局の機密計算でCrossroadsを置き換える予定です。Visionは材料・核科学やエネルギー、生物医学など基礎研究の基盤となります。

今回の発表は、LANLとNVIDIAが10年以上重ねてきた協業の延長線上にあります。両者はGraceからVeraへとCPUの共同設計を進めてきました。3基は2024年導入のスパコン「Venado」を土台とし、実際の科学計算に即した設計思想を一段と推し進めるものといえます。