Meta、AI楽観広告に人類滅亡の楽曲を起用
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Metaは7月23日、Instagram公式アカウントで、AIが人々を「孤立させない」「取り残さない」と訴える楽観的な広告を公開しました。ナレーションが「我々は人に賭ける」と語り、赤ん坊と戯れる家族や幼児の笑顔が流れる中、BGMに選ばれたのは1972年のDavid Bowieの楽曲「Five Years」でした。実はこの曲、世界の終わりを歌った作品で、広告の明るさとは正反対のテーマを持っています。
「Five Years」は、地球が5年後に大量絶滅を迎えると知った人類のパニックを描いた楽曲です。歌詞には「泣くための5年間しか残されていない」「地球は本当に死にかけていた」といった一節が並びます。広告は「people(人々)」という語が繰り返される部分だけを切り取っており、原曲を知らなければ絶望的な内容とは気づきにくい構成です。
CEOのMark Zuckerbergを含め、Meta社内でこの矛盾は見過ごされたようです。広報担当のFrancis Brennan氏は、Bowie自身が1972年に「未来への楽観を抱くための曲」と語ったとする引用を示し、選曲を擁護しました。しかしその引用元のサイト自体が同曲を「地球が最後の5年を迎えるディストピア的悪夢」と説明しており、録音時にBowieが涙を流していたという当時のドラマーの証言も残っています。
Pitchforkの副編集長ジェレミー・D・ラーソン氏は、人間のつながりの文脈に終末を選んだ点を「無知か、あるいは悪質」と評し、故人の楽曲をAIに無断で使う行為への不快感を示しました。こうした広告の空回りはMetaに限りません。数週間前にはAnthropicが燃える建物や墓地を映す不気味な広告を公開し、OpenAIのSam Altmanに揶揄されたばかりです。
背景にあるのは、AIへの根強い不信です。米調査機関Pewの調査では、今後20年でAIが社会に良い影響を与えると考える米国人はわずか16%にとどまり、40%が悪影響を予想しました。各社が世論を動かそうと広告合戦を繰り広げても、製品そのものへの信頼を勝ち取れなければ空回りに終わる、という現実が浮かび上がります。