インドのアプリ課金が過去最高、生成AIが牽引
詳細を読む
アプリ調査会社のSensor Towerは7月31日、インドのモバイルアプリ市場における2026年4〜6月期の消費者支出が過去最高の3億4500万ドルに達したと発表しました。前年同期比で35%増となり、成長を押し上げたのはゲームではなく生成AIや動画配信、生産性向上アプリでした。世界最大のダウンロード市場でありながら稼ぎにくいとされてきたインドが、課金する市場へと変わり始めています。
変化の背景にあるのは、決済の摩擦が消えたことです。同社のアナリスト、Eve Chen氏は、銀行口座から直接支払えるUPIやデジタルウォレットの普及がアプリ内課金のハードルを下げ、サブスクリプションへの抵抗感も薄れたと説明します。ダウンロード数は2023年以降、四半期あたり63億件前後で横ばいですが、1ダウンロード当たりの収益はこの3年半で2倍以上に伸びました。
収益の中身を見ると、生成AIが最も成長の速い分野の一つになっています。ChatGPTとClaudeの2つだけで、インドのAIアプリ収益の約83%を占めました。非ゲーム分野は2026年上半期の収益の68%を握り、3年前の58%から比率を高めています。
伸びの速さは世界的にも際立ちます。同四半期のインドの成長率は主要市場で最速となり、メキシコの30%、トルコの25%を上回った一方、米国のアプリ収益は3%減と縮小しました。ただし恩恵の多くを受けているのは海外のサブスクリプション事業者で、四半期の最高収益アプリはGoogle Oneでした。
一方で、収益力の差は依然として大きいままです。1ダウンロード当たりの収益は米国が約4.60ドル、韓国が3.90ドル、日本が6.10ドルなのに対し、インドはその一部にとどまります。別の調査会社Appfiguresは、AI主導の急伸が一巡してサブスクリプション成長のペースは鈍ったとしつつ、ChatGPTがインドで1日あたり約6万ドルを稼いでいると推計しており、絶対額よりも軌道を見るべき局面です。