MIT、統計データ科学センター所長に機械学習理論家

所長人事の要点

MIT統計データ科学センター新所長
モイトラ教授の後任に就任
IDSSの冠教授で脳認知科学も兼務

研究と教育の実績

機械学習理論の第一人者
統計分野横断博士課程の初代主任
75人超の博士学位取得を支援

AI時代の統計学

AIの安全性は統計と数学の問題
不確実性の定量化と保証が焦点
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マサチューセッツ工科大学(MIT)は8月3日、機械学習理論を専門とするアレクサンダー・ラクリン教授を、統計・データサイエンスセンター(SDSC)の次期所長に指名したと発表しました。ラクリン氏はデータ・システム・社会研究所(IDSS)の冠教授で、脳・認知科学科も兼務します。2021年から所長を務めたアンクル・モイトラ教授の後任として、AIの基礎を支える統計学の研究拠点を率いることになります。

SDSCはIDSSが擁する研究センターで、統計と機械学習の理論を軸にMIT全体の研究を支えてきました。ラクリン氏は2016年から客員教授として関わり、2018年に正式着任しています。2025年に創設された「データ・システム・社会」の冠教授職では、初代の保持者でもあります。

特筆すべきは教育面の実績です。分野横断の統計学博士課程(IDPS)の初代責任者として、経済学や政治学から物理学、工学まで多様な学科にまたがる75人を超える博士の学位取得を見届けてきました。IDSS所長のフォティニ・クリスティア教授は、統計学と機械学習で最も鋭い理論家の一人であり、最も献身的な指導者だと評しています。

ラクリン氏が掲げるのは、AIそのものを厳密な科学として扱う姿勢です。AIが医療エネルギー、公共の場に入り込むなかで、その安全性やセキュリティは本質的に統計学と数学の問題だと語り、不確実性の定量化、性能の保証、失敗の理解、操作への耐性を課題に挙げました。

経営やエンジニアリングの現場にとって、この人事は何を示すのでしょうか。AIの導入が広がるほど、モデルの精度をどう保証し、想定外の失敗をどう見積もるかという統計的な問いが避けられなくなります。ラクリン氏はSDSCをデータサイエンスとAIの厳密な基礎を担う拠点にすると述べ、分野横断の連携をさらに深める方針です。