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中国のアリババは8月3日、自社最大かつ最も高性能とする大規模言語モデルQwen3.8-Maxを一般公開しました。同社は米アンソロピックやOpenAIといった最先端研究所の主力モデル、さらに中国のムーンショットAIが出したKimi K3に匹敵する性能だと説明しています。米中のAI覇権争いが緊迫するなかでの投入であり、中国勢が技術差を急速に縮めている現状を印象づける発表となりました。
性能の裏づけとして、アリババは自社ベンチマークの結果を公開しました。多くの項目でアンソロピックの旗艦モデルFable 5と並び、一部では上回ったとしています。第三者の指標でも、クラウドソース型の比較プラットフォームArena.AIのテキスト部門でFable 5とOpus系3モデルに次ぐ順位につけ、視覚分析ではFable 5だけが上位という結果でした。
規模の面では、パラメータ数を2兆4000億と公表しました。ムーンショットのKimi K3は2兆8000億で、数字だけを見れば下回ります。ただしパラメータ数は性能の目安にすぎず、OpenAIやアンソロピックは主力モデルの正確な数値を公開していないため、単純な比較は成り立ちません。
注目すべきは、来週にも重み(ウェイト)を公開するとしている点です。オープンウェイトは従来のオープンソースより制約が多いものの、OpenAIやアンソロピックの独自製品と比べれば開発者の裁量は格段に大きくなります。アリババは今年前半に上位モデルを独自方式へ寄せていましたが、今回はその方針を再び転換した形です。
重みの公開は、中国AI業界の共通戦略になりつつあります。ムーンショットは先週Kimi K3の重みを公開し、バイトダンスとミニマックスも金曜に新しい動画生成モデルを投入しました。中国政府はこの路線を、国際的なAIガバナンスでの影響力拡大と自国企業の普及を狙う手段として後押ししています。
米国側では、開放をめぐる議論が割れています。中国勢の相次ぐ公開を受けて規制強化の観測が出る一方、業界の多くは安全性の確保と競争維持の両面からオープンウェイトへのアクセス維持を支持しています。折しもOpenAIとアンソロピックは制御を離れた自社エージェントによるサイバー攻撃の発覚で厳しい視線にさらされており、閉じたモデルの安全策が防御用途の妨げになるとの指摘も被害側から出ています。