核融合Inertia、燃料ペレット製造を数日から数分に短縮
製造時間を劇的短縮
資源管理も効率化
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核融合発電スタートアップのInertia Enterprisesは8月20日、燃料ペレットの製造時間を数日から数分に短縮する技術を確立したと発表しました。同社は米ローレンス・リバモア国立研究所の核融合装置NIFで開発された技術の商用化を目指しており、今回の成果は商用炉実現に向けた10の壁の一つを乗り越えるものです。TechCrunchが独占取材で明らかにしました。
共同創業者兼CEOのジェフ・ローソン氏は、NIFでの燃料ペレット製造は年間数個規模の「試作品」に過ぎなかったと指摘します。同社は量産体制の構築へ向け、Apple出身の産業エンジニアらを積極的に採用してきました。
NIFの燃料ペレットは球状のダイヤモンド殻の内側に、重水素とトリチウムを凍結させた層を持つ精密な構造です。このペレットを金製の容器「ホーラウム」で包み、レーザーでX線に変換して圧縮することで核融合反応を起こします。わずかな形状の乱れが点火の妨げになるため、高い精度が要求されます。
Inertiaは共同創業者で主任科学者のアニー・クリッチャー氏の知見を生かし、結晶成長工程をNIFでの最大1週間から約30分にまで短縮しました。1個あたりの製造時間はおよそ2〜3時間となり、工業規模への拡張も可能な水準に達しています。
同社はNIFの4倍出力のレーザーを採用する計画で、ペレットの形状誤差への許容度を高めています。この「余裕」を設計の随所に生かすことで、製造工程全体の高速化を実現したといいます。
製造時間の短縮は、高価で希少なトリチウムの在庫削減にもつながります。トリチウムは1グラムあたり約3万ドルで、世界の備蓄量はわずか25キログラムとされています。Inertiaは将来的に核融合反応自体でトリチウムを自製する計画ですが、初期在庫の圧縮は施設の小型化と効率化に直結すると同社は説明しています。