スマートグラス百花繚乱も決定的な用途見つからず
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The Vergeの記者Victoria Song氏が、Even Realities G2やMeta Ray-Ban Display、Rokid、Lucydなど約12種類のスマートグラスを1年以上にわたって使用した総合レビューを公開しました。現行モデルはデザイン・快適性・価格の面でかつてないほど進化しているものの、日常的に装着し続ける明確な理由が見つからないと結論づけています。
各社が推すAI機能の実用性には疑問が残ります。Meta AIはフェラーリの識別に6回失敗し、バチカン美術館ではWi-Fiの問題でほぼ使えませんでした。RokidのAIは権限設定やBluetooth接続の不具合が頻発し、Even RealitiesのConversate機能はブリーフィング中に「人工知能」の定義を表示するなど、的外れな動作が目立ちます。音楽再生や天気確認といった基本操作以外では、バッテリー消費が激しく実用的ではないと指摘しています。
プライバシーの問題も深刻です。カメラ付きモデルは公共の場で周囲を不快にさせるリスクがあり、すでにクルーズ船や法廷では使用禁止措置がとられています。ニューヨーク・ポスト紙が「pervert glasses」と報じるなど、社会的な反発も強まっています。装着者自身も公共のトイレやコンサート会場で居心地の悪さを感じると述べています。
処方レンズへの対応も普及の壁となっています。あらゆる度数に対応できると断言したのはEven Realitiesのみで、Metaが全処方対応版を出したのもごく最近です。遠近両用レンズには未対応の機種が大半で、顔の大きさや視力の多様性に応じたサプライチェーン構築には時間がかかるとみられます。
Song氏はスマートグラスの可能性を否定してはいません。旅行中のナビゲーションや美術館でのガイド、工場での多言語コミュニケーションなど、特定の場面では有効だと認めています。しかし、各社が24時間装着の汎用デバイスとして売り込む姿勢には違和感を示し、スマートフォンのように誰にとっても有用な端末にはまだ遠いと評価しました。自身が最も気に入っているのはランニング用のOakley Meta Vanguardで、用途を限定した使い方にこそ現時点の価値があると結んでいます。