AI無断リミックスが大量拡散、原曲アーティストに収益ゼロ
出典:WIRED
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米カリフォルニア州のレゲエバンドStick Figureの楽曲「Angels Above Me」が、AI生成とみられる無断リミックスの拡散によって6カ国のiTunesチャートで1位を獲得しました。しかしバイラルヒットの恩恵はバンドに届かず、最も再生された無断リミックスはYouTubeで5日間に180万回以上再生されたにもかかわらず、バンドへのロイヤリティは一切支払われていません。
バンドのマネジメントチームは各プラットフォームに著作権侵害の削除申請を送り続けています。Spotifyは要請を受けた全トラックを削除し、YouTube上のバイラル動画も取り下げられました。しかし別の無断リミックスが次々と出現し、対応は「モグラ叩き」状態に陥っています。
AI生成音楽の氾濫は業界全体の課題となっています。仏Deezerの調査によると、同社が日々検出するAI楽曲の割合は2025年の18%から2026年には44%へ急増し、月200万曲以上に達しています。その85%はロイヤリティ詐取を目的とした不正なスロップと推定されます。Spotifyは2025年9月に7500万曲超のスパム楽曲を削除するなど対策を進めていますが、根本的な解決には至っていません。
問題の背景には、正規リリースを管理する一元的なデータベースの不在があります。Deezerの研究責任者は、アーティストがレーベルや配信元を変更することが多く、配信プラットフォーム側でリリースの正当性を判断するのは困難だと指摘しています。Stick Figureのボーカリストは、配信会社が音声を自動スキャンし著作権侵害を即座にフラグ付けする仕組みの導入を求めています。