ドクトロウ氏、AIが生む「逆ケンタウロス」を批判

Amazon機械学習画像

新著の主張

AI論争への新著刊行
AIを語る不毛さを論じる狙い
誇張と現実の切り分け

逆ケンタウロス論

人間が機械の付属物
配送員を例に説明
業界が量産する構図への懸念
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技術ジャーナリストで作家のコリー・ドクトロウ氏が2026年6月、AIを主題とした新著「The Reverse Centaur's Guide to Life After AI」を刊行しました。前著「Enshittification」に続く問題提起の書で、米メディアArs Technicaのインタビューに応じています。同氏はAIについて語ること自体を「無益だと考える理由」を書いたと説明します。

本書の狙いは誇張と物質的な現実を切り分けることにあります。ドクトロウ氏自身は「AIについて語ることにうんざりしていた」と述べつつ、繰り返し意見を求められる状況から本書の執筆に至ったと語ります。

中心概念が「ケンタウロス」と「逆ケンタウロス」です。同氏によると、ケンタウロスは機械学習や自動車運転、入力補完などの技術で能力を拡張された人間を指します。一方、逆ケンタウロスは「機械の頭に人間の体がついた存在」、つまり冷淡な機械の付属物として働く人間だと定義します。

具体例として挙げるのが、AIカメラに運転を監視されるAmazonの配送ドライバーです。ドライバーは事実上、配送車両の周辺機器のように扱われるといいます。ケンタウロスは肯定的に受け止められる一方、逆ケンタウロスを望む人はほとんどいないと指摘します。

それでもAI業界はこうしたツールで逆ケンタウロスを増やそうとしている、というのが同氏の問題意識です。例えば放射線科医のX線画像診断をAIが補助するのは有益ですが、10人中9人を解雇しAIに診断を委ね、残る1人がその確認と責任だけを負う構図は別物だと論じています。