データセンター配線、電気工に広がる倫理的葛藤
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米国でビッグテックがデータセンター建設に巨額を投じる中、その施設を配線する電気工の間で、AIインフラ建設に携わることの是非をめぐる議論が広がっています。米メディアWIREDが2026年6月22日に報じました。労働需要が急増する一方、地域社会への影響やAIの使われ方への懸念から、仕事を引き受けるべきか悩む声が現場から上がっています。
建設規模と厳しい工期は、業界で人材争奪戦を引き起こしています。米国際電気工組合(IBEW)は組合員が「AI革命を支えている」と主張し、3月に公表した指針で組合労働は「AIの未来に不可欠」と位置づけました。テック企業も対応を急ぎ、Metaは技能職向けの育成アカデミーを発表、Googleは技能訓練支援に5000万ドルを投じると表明しています。
一方で、約50万人が月に訪れる電気工向け掲示板redditでは、AIが経済に与える影響を問うスレッドが目立つようになりました。データセンター業務が地域社会への損害に加担することにならないか、職を失う引き金にならないかと案じる声がある一方、「仕事は仕事」と割り切る意見も根強くあります。
中西部のある電気工は、職業を明かすと相手の態度が一変するため、もう自分の仕事を人に言わないと語ります。ただ本人はデータセンターの仕事を自ら望み、減給も受け入れて職を得ました。電気工として採用された後、数カ月で管理職に昇進し、将来は技術者への転身を目指すなど、上昇の好機と捉えています。
対照的に、ライアンと名乗る電気工は「世界の政府が右傾化している」と述べ、企業への不信からデータセンター業務を避け続けています。組合員として仕事を選べる立場を生かしており、たとえ長期失業しても引き受けたくないと語る一方、「建てるなら組合でやってほしい」とも付け加えました。
別の電気工ダンテは、製材所もデータセンターも「本質的に同じ仕事」だと割り切ります。ただ、ある見習いは「どうせ建つのだから自分が稼げばいい」という正当化が現場に広がっていると指摘し、「生活が懸かっていない自分だから言えることだが」と複雑な思いを明かしました。