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Googleは2025年11月6日、教育分野におけるAI活用戦略を公表し、AI搭載ノートアプリ「NotebookLM」に新機能を追加しました。このアップデートは、世界的な教員不足や教育格差という課題に対し、AIを用いて学習効果とエンゲージメントを高めることを目指すものです。最新のGeminiモデルを活用し、学習者に個別最適化された支援を提供します。
今回のアップデートの目玉は、ユーザーが持つ資料からクイズやフラッシュカードを自動生成する機能です。PDFやテキストなどの学習素材をアップロードするだけで、AIが内容を解析し、理解度を確認するための問題や、暗記用のカードを作成。学習者はトピック、難易度、問題数を自由にカスタマイズでき、効率的な知識定着が期待できます。
NotebookLMは、基盤となるチャット機能も大幅に強化されました。最新のGeminiモデルを搭載することで、応答品質が50%向上し、一度に扱える情報量(コンテキストウィンドウ)は4倍に拡大。これにより、より長く複雑な対話が可能となり、思考のパートナーとして高度な学習をサポートします。
Googleは、AIを単に答えを提示するツールではなく、学習者が深い理解に至るプロセスを支援するものと位置づけています。同社の目標は、AIによって教師を代替することではなく、むしろ教師が授業計画や事務作業から解放され、生徒一人ひとりへの指導に集中できる環境を創出することです。
一方で、同社はAI導入に伴う課題にも真摯に向き合っています。不正行為や情報格差、AIの回答の正確性といった問題に対し、教育コミュニティと連携して解決策を模索。AIリテラシーの向上を支援するとともに、AIでは代替しにくい討論やポートフォリオといった新しい評価方法の導入も視野に入れています。