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NVIDIAの創業者兼CEOであるジェンスン・フアン氏と、チーフサイエンティストのビル・ダリー氏が、今週英国で「2025年エリザベス女王工学賞」を受賞しました。授賞式はセント・ジェームズ宮殿で行われ、チャールズ国王陛下から直接賞が授与されました。両氏のAIと機械学習の基盤となるGPUアーキテクチャ開発における功績が、高く評価された形です。
今回の受賞は、両氏が主導したGPUアーキテクチャが今日のAIシステムと機械学習アルゴリズムを支えている点に焦点を当てています。彼らの功績は、コンピュータ業界全体に根本的な変化をもたらした「アクセラレーテッド・コンピューティング」の開拓にあります。この技術革新こそが、現代のAIの「ビッグバン」を巻き起こした原動力とされています。
フアンCEOは受賞に際し、「私たちが生きているのは、マイクロプロセッサ発明以来の最も深遠なコンピューティングの変革期だ」と述べました。さらにAIは「将来の進歩に不可欠なインフラであり、それは前世代にとっての電気やインターネットと同じだ」と、その重要性を強調しました。AIの未来に対する強い自負がうかがえます。
一方、チーフサイエンティストのダリー氏は、AIの基盤が数十年にわたる並列コンピューティングとストリーム処理の進歩にあると指摘。「AIが人々を力づけ、さらに偉大なことを成し遂げられるよう、ハードウェアとソフトウェアを洗練させ続ける」と、今後の技術開発への意欲を示しました。
両氏は授賞式に先立ち、英国政府の科学技術担当大臣らと円卓会議に出席しました。テーマは「英国がいかにして将来のエンジニアを鼓舞するか」。これはNVIDIAが英国の政府や大学と進めるAIインフラ、研究、スキル拡大のための連携を一層強化する動きと言えるでしょう。
さらにフアンCEOは、世界で最も古い討論会であるケンブリッジ・ユニオンで「スティーブン・ホーキング・フェローシップ」も授与されました。科学技術を進歩させ、次世代にインスピレーションを与えた功績が認められたものです。フアン氏の貢献が、工学分野だけでなく、科学界全体から高く評価されていることを示しています。