米国製AIチップの誕生
サプライチェーン国内回帰
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NVIDIAとTSMCは2025年10月17日、米国アリゾナ州フェニックスにあるTSMCの半導体工場で、最新AI半導体「Blackwell」の最初のウェハーを生産したと発表しました。NVIDIAのジェンスン・フアンCEOが工場を訪れ、記念式典でウェハーに署名。これはBlackwellの量産開始を意味し、米国内のサプライチェーン強化とAIインフラ構築を加速させる歴史的な一歩となります。
フアンCEOは式典で、「米国史上初めて、最も重要なチップが国内の最先端工場で製造される歴史的瞬間だ」と強調しました。また、この動きは製造業を米国内に戻し、雇用を創出するという「再工業化」のビジョンを体現するものだと述べ、AIという世界で最も重要な技術産業における米国の役割を力説しました。
TSMCアリゾナのレイ・チュアンCEOも、「アリゾナ到着からわずか数年で米国製NVIDIA Blackwellチップを供給できたことは、TSMCの最良の姿を示すものだ」と述べました。このマイルストーンは、NVIDIAとの30年にわたるパートナーシップと、従業員や地域パートナーの揺るぎない献身の賜物であると感謝の意を表しました。
TSMCアリゾナ工場では、Blackwellに加え、2、3、4ナノメートルプロセスや次世代のA16チップなど、最先端技術の半導体を生産する計画です。これらのチップは、AI、通信、高性能コンピューティング(HPC)といった分野のアプリケーションにとって不可欠な要素となります。
今回の国内生産開始は、急増するAI需要に応える上で極めて重要です。AIインフラの根幹をなす半導体製造を米国内で行うことで、サプライチェーンを強靭化し、AI分野における米国の持続的なリーダーシップを確立する道筋をつけました。これは米国の半導体製造とAI開発における大きな前進と言えるでしょう。