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米修理情報サイトiFixitは12月9日、生成AIチャットボット「FixBot」を搭載した新モバイルアプリをiOSおよびAndroid向けにリリースしました。ユーザーはスマートフォンのカメラや音声入力を使って対象機器の故障箇所を診断させ、即座に修理手順や必要な部品の提案を受けることが可能になります。
核となる「FixBot」は、同社が長年蓄積してきた12万件以上の修理ガイドやマニュアルを学習しています。例えば故障した家電の写真を撮るだけで、AIがモデルを特定し、熟練技術者のように対話形式で問題の切り分けを行います。単なる検索ではなく、的確な解決策と部品購入への動線が設計されており、DIY修理のハードルを大幅に下げています。
アプリには高度なバッテリー診断機能も実装されました。現在の劣化状態を示すだけでなく、充放電サイクルデータに基づき将来の寿命を予測し、計画的な交換を促します。CEOのカイル・ウィーンズ氏は、これを車のオイル交換のように定期的なメンテナンスとして定着させたい意向を示しており、ハードウェア管理の新しい形を提案しています。
将来的には音声操作や独自ドキュメントの読み込み機能などを月額4.99ドルのサブスクリプションとして提供する計画です。かつてAppleによりアプリを削除された経緯を持つ同社ですが、欧州の消費者法などを背景に「修理する権利」を支援する不可欠なプラットフォームとして、再びモバイルエコシステムへの浸透を図ります。