Instagram(企業)に関するニュース一覧

Meta、AI投資の原資は詐欺広告収益か

詐欺広告による巨額収益

詐欺広告から年間160億ドルの収益
総売上の約10%に相当
毎日150億回の高リスク広告に接触

AI開発とシステムの悪循環

収益をAI開発の原資に充当
悪質アカウントの意図的な放置
広告システムが詐欺を助長する仕組み

Meta社が、FacebookInstagram上で横行する詐欺広告を意図的に放置し、年間160億ドル(約2兆4千億円)もの巨額の利益を得ていたことが、内部文書により明らかになりました。ロイター通信が報じたこの問題は、得られた収益が同社のAI開発を加速させるための資金源になっていた可能性を示唆しており、企業の倫理観が厳しく問われています。

内部文書によると、Metaは詐欺広告からの収益が2023年には総売上の約10%にあたる160億ドルに達すると予測していました。ユーザーは1日に合計150億回もの「高リスク」な詐欺広告にさらされていると推定されています。これは、偽商品や不正な投資話など、利用者を欺く悪質な広告を指します。

なぜMetaは詐欺広告を放置したのでしょうか。文書からは、収益の急減が人工知能(AI)分野の成長に必要なリソースを損なうことへの懸念がうかがえます。実際に、500回以上の規約違反を犯した「最も悪質な詐欺師」と見なされるアカウントでさえ、即座に削除されることはありませんでした。

さらに深刻なのは、Meta広告システム自体が詐欺を助長していた点です。広告のパーソナライズ機能は、ユーザーの興味関心に基づいて広告を配信します。この仕組みにより、過去に詐欺広告をクリックしたユーザーは、さらに多くの詐欺広告のターゲットにされるという悪循環が生まれていました。

Metaは違反を繰り返す広告主に対し、より高い広告料を請求するという「ペナルティ」を課していました。しかしこれは、結果的に詐欺行為からより多くの収益を上げる仕組みとして機能していた側面も指摘されています。短期的な収益とAIへの投資を優先する姿勢が、プラットフォームの安全性を脅かしていると言えるでしょう。

MetaのAI動画フィードVibes、欧州に上陸

AI動画の新潮流

AI動画専用フィード「Vibes」
TikTokやReelsのAI版
プロンプトやリミックスで動画生成
友人との共同制作を奨励

市場の反応と課題

米国ローンチから6週間で展開
OpenAIの「Sora」と競合
低品質AIコンテンツ氾濫の懸念
Metaの過去の方針との矛盾

Metaは11月6日、AIが生成する短尺動画フィード「Vibes」を欧州で提供開始しました。米国でのローンチからわずか6週間後の迅速な展開で、急成長するAIコンテンツ市場での主導権を狙います。ユーザーは「Meta AI」アプリ内で、TikTokやReelsのようにAIが作成した動画を視聴・共有できます。

Vibesの最大の特徴は、誰もがAIコンテンツの制作者になれる点です。ユーザーはテキストプロンプトで一から動画を生成したり、他者の動画をリミックスして新たな作品を生み出したりできます。Metaはこれを「社会的で協力的な創作体験」と位置づけ、InstagramFacebookへの共有も促します。

この動きは、米国でのVibesローンチ直後にOpenAI動画生成・共有プラットフォーム「Sora」を発表したことと無関係ではないでしょう。大手テック企業による生成AI動画プラットフォーム競争が本格化し、市場は新たな局面を迎えています。

しかし、ユーザーの反応は必ずしも好意的ではありません。CEOの発表には「誰も望んでいない」「AIスロップ(低品質なAIコンテンツ)だ」といった否定的なコメントが相次ぎました。斬新なサービスへの期待と、コンテンツの質の低下を懸念する声が交錯しています。

Vibesの推進は、Metaが以前掲げた「非独創的なコンテンツへの対策」という方針と矛盾するとの指摘もあります。YouTubeなどが低品質なAIコンテンツの氾濫に警鐘を鳴らす中、Metaの戦略はコンテンツの質と量のバランスという大きな課題を突きつけられています。

批判的な見方がある一方、Metaは「Meta AI」アプリ内でのメディア生成がローンチ以来10倍以上に増加したと発表しており、AI生成コンテンツの普及に強い自信を見せています。この積極的な投資が、新たなユーザー体験の創出につながるか、その真価が問われます。

OpenAIの動画AI「Sora」、Android版を提供開始

Android版の提供概要

日米など7カ国で提供開始
iOS版は1週間で100万DL
TikTok風の動画フィード
本人登場のCameo機能を搭載

課題と今後の展開

著作権保護ポリシーの変更
キャラクターカメオ機能の拡充
基本的な動画編集ツールも実装予定

OpenAIは2025年11月4日、動画生成AIアプリ「Sora」のAndroid版を、日本米国、カナダなど7カ国で提供開始しました。9月に先行リリースされたiOS版は公開から1週間で100万ダウンロードを突破しており、Android市場への参入でユーザー基盤のさらなる拡大が期待されます。本アプリは、文章から動画を生成するだけでなく、SNS風のフィード機能も特徴です。

Android版の登場により、より多くのクリエイターがAI動画を手軽に制作・共有できるようになります。アプリの核となるのは、ユーザー自身の容姿を使って動画を生成できる「Cameo」機能です。iOS版と同様の機能がすべて搭載されており、TikTokのようなインターフェースで他のユーザーの作品を閲覧することもできます。

Soraの急成長は、動画共有プラットフォーム市場の競争を激化させる可能性があります。Meta社が「Vibes」と呼ばれるAI動画フィードを投入するなど、既存の巨大プラットフォームであるTikTokInstagramもAI機能の強化を迫られるでしょう。OpenAIの参入は、ショート動画市場の勢力図を塗り替える一因となるかもしれません。

一方で、Soraディープフェイク著作権の問題にも直面しています。過去には歴史上の人物の不適切な動画が問題となり、同社は生成に関するガードレールを強化しました。また、著作権で保護されたキャラクターの無断使用への批判を受け、権利者が利用を許諾する「オプトイン」方式へポリシーを変更する対応を取りました。

OpenAIは今後もSoraの機能拡充を続ける方針です。ペットや無生物を使った「キャラクターカメオ」機能や、複数の動画を繋ぎ合わせる基本的な編集ツールの追加を計画しています。ユーザーが自身のフィードをより細かく管理できるカスタマイズ機能も実装予定で、クリエイターにとって魅力的なプラットフォームを目指しています。

Meta、SNSにAI生成コンテンツ大量投入へ

AIが拓くSNSの新時代

友人・家族中心の第一期
クリエイター中心の第二期
AI生成コンテンツ第三の波

レコメンド技術が鍵

AI投稿を深く理解するシステム
ユーザーに最適なコンテンツを提示
AI動画アプリ「Vibes」で実験

好調な業績が後押し

第3四半期売上は26%増の好業績
「Vibes」で200億超画像生成

Metaのマーク・ザッカーバーグCEOは2025年10月29日の第3四半期決算発表で、FacebookInstagramなどのソーシャルフィードにAI生成コンテンツを大量に統合する計画を明らかにしました。AIによってコンテンツ作成が容易になることを背景に、これをソーシャルメディアの「第三の時代」を切り拓く重要な戦略と位置づけています。

ザッカーバーグ氏は、ソーシャルメディアの進化を二つの時代に分けて説明しました。第一の時代は友人や家族の投稿が中心、第二の時代はクリエイターコンテンツの台頭です。そして今、AIがもたらすコンテンツの爆発的な増加が、第三の大きな波になるとの見方を示しました。これは、私たちの情報消費のあり方を根本から変える可能性があります。

この変革の鍵を握るのが、レコメンデーションシステムです。AIが生成した膨大な投稿をシステムが「深く理解」し、個々のユーザーにとって最も価値のあるコンテンツを的確に表示する能力が、これまで以上に重要になるとザッカーバーグ氏は強調します。コンテンツの質と量のバランスをどう取るかが、今後の大きな課題となるでしょう。

Metaは既にこの未来に向けた布石を打っています。AI動画フィードアプリ「Vibes」では、ユーザーによって200億以上画像が生成されるなど、具体的な成果も出始めています。これはAIが可能にする全く新しいコンテンツ体験のほんの一例に過ぎません。

この大胆なAI戦略を支えているのが、同社の好調な業績です。第3四半期の売上は前年同期比26%増の512.4億ドルに達しました。潤沢な資金を背景に、MetaはAI分野への積極的な投資を続け、ソーシャルメディアの未来を再定義しようとしています。

インスタ、AI編集をストーリーズに直接統合

新機能の概要

インスタのストーリーズにAI編集を統合
テキスト指示で写真・動画を自在に変更
要素の追加・削除・背景変更などが可能
従来よりAI機能へのアクセスが容易に

利用法と注意点

新メニュー「Restyle」からアクセス
サングラス追加などプリセットも豊富
利用規約で顔データ分析に同意が必要
AI分野での競争力維持が狙い

Metaは10月23日、傘下のInstagramで、AIを活用した編集ツールを「ストーリーズ」機能に直接統合したと発表しました。ユーザーは「髪の色を赤に変えて」といったテキスト指示(プロンプト)を入力するだけで、写真や動画を簡単かつ直感的に編集できます。これにより、クリエイティブな表現の幅が大きく広がります。

新機能は、ストーリーズ編集画面上部の「Restyle」メニューから利用可能です。編集したい写真や動画に対し、「追加」「削除」「変更」といった操作を選び、プロンプトバーに具体的な指示を入力します。例えば、人物写真に王冠を追加したり、背景を夕焼けに変えたりといった高度な編集が瞬時に行えます。

プロンプト入力だけでなく、あらかじめ用意されたプリセットエフェクトも豊富です。ワンタップでサングラスやジャケットを着用させたり、画像全体を水彩画風に加工したりできます。動画に対しても、雪や炎が舞うようなダイナミックな効果を加えることが可能で、初心者でも手軽に利用できるのが特徴です。

この機能を利用する際、ユーザーはMetaのAI利用規約に同意する必要があります。規約によると、アップロードされた写真や動画、そこに含まれる顔の特徴などがAIによって分析される可能性があるため、プライバシーに関する注意が必要です。企業は利用前に規約を十分に確認すべきでしょう。

Metaは、生成AI分野での競争力を維持するため、継続的に新機能を投入しています。これまでAI機能は専用チャットボット経由が主でしたが、ストーリーズへの直接統合で利便性を大幅に向上させました。AI生成動画フィード「Vibes」の提供など、ユーザー体験へのAI組み込みを加速させています。

Meta、未投稿写真でAI学習 任意機能でデータ収集

新機能の概要

AIがカメラロールを自動スキャン
未投稿写真から「逸品」を提案
編集やコラージュを自動で生成
米国とカナダでオプトインで提供

データ利用と懸念

写真はMetaクラウドに保存
編集・共有時にAI学習データ化
プライバシー保護の透明性に課題
広告目的でのデータ利用は否定

Meta米国とカナダで、新たなAI機能をオプトイン(任意参加)形式で導入しました。ユーザーのカメラロールにある未投稿写真をAIがスキャンし、編集やコラージュを提案するものです。利便性の裏で、プライバシーやAIの学習データ利用に関する懸念も指摘されています。

ユーザーが機能を有効にすると、カメラロール内の写真が継続的にMetaクラウドにアップロードされます。AIは雑多な画像の中から共有価値のある「隠れた逸品」を探し出し、ユーザーに提案。これにより、写真の編集や整理にかかる手間を削減することを目指しています。

最も注目されるのは、これらの写真がAIの学習にどう使われるかです。Metaの説明によれば、アップロードされただけでは学習データにはなりません。ユーザーが提案された写真をAIツールで編集、またはFacebook上で共有した場合に限り、そのデータがAIモデルの改善に利用されるとしています。

しかし、この仕組みには透明性への課題が残ります。Metaは過去に、FacebookInstagramの公開投稿をAI学習に利用していたことを認めています。今回も、ユーザーへの通知画面でデータ利用のリスク十分に説明されるかは不明確であり、将来的なポリシー変更の可能性も否定できません。

この新機能は、ユーザーエンゲージメントを高める強力なツールとなり得ます。一方で、企業がユーザーのプライベートなデータにどこまでアクセスし、活用するべきかというデータ倫理の議論を加速させるでしょう。経営者開発者は、技術革新とプライバシー保護のバランスを常に意識する必要があります。

AI偽ヌード生成アプリ、被害者が運営停止求め提訴

提訴されたアプリの概要

写真から偽ヌード画像を生成
わずか3クリックの簡単操作
児童性的虐待コンテンツも作成

拡散を助長する仕組み

Telegramボットで自動宣伝・拡散
API提供で技術の悪用を拡大
多数の模倣アプリ・サイトが出現

驚異的な被害の規模

1日平均20万枚画像を生成
累計訪問者数は2700万人

AIで衣服を透視したかのような偽ヌード画像を生成するアプリ「ClothOff」が、17歳の被害者少女に提訴されました。訴状は、同アプリが児童性的虐待コンテンツ(CSAM)などを容易に生成・拡散できると指摘。原告は「絶え間ない恐怖」を訴え、アプリの運営停止などを求めています。

訴状によれば、ClothOffはInstagramなどの写真からわずか3クリックで、本物と見分けがつきにくい偽ヌード画像を生成できるとされます。これは非合意の性的画像だけでなく、未成年者を対象とした児童性的虐待コンテンツの生成にもつながる悪質な仕組みだと原告側は非難しています。

問題はアプリ単体にとどまりません。ClothOffは、自社の画像生成技術を外部サービスが組み込めるAPIを提供。これにより模倣サービスが乱立し、被害が拡大しています。さらにSNS「Telegram」上のボットがアプリを宣伝し、数十万人の登録者を集めるなど、拡散に拍車をかけていると指摘されています。

被害の規模は甚大です。訴状によると、ClothOffと関連サービスは1日平均で20万枚もの画像を生成し、累計訪問者数は2700万人を超えます。プレミアム機能として課金メニューも用意されており、運営側が偽ヌード画像の生成から直接利益を得ているビジネスモデルも問題視されています。

今回の訴訟は、生成AI技術の悪用がもたらす深刻な人権侵害と、それを助長するプラットフォームの責任を問うものです。技術者は自らの技術が社会に与える影響を、経営者はサービスが悪用されるリスクを直視する必要があるでしょう。AI時代の新たな法的・倫理的課題を突きつける事例です。

Meta、10代のAI利用に保護者管理機能を導入へ

保護者ができること

AIチャットの完全な利用停止
特定AIキャラのブロック
会話トピックの概要を把握

導入の背景と対象

未成年者保護への高まる懸念
まずInstagramで提供
米・英・加・豪の4カ国で先行
2025年初頭に提供開始

Metaは2025年10月17日、10代の若者が同社のAIキャラクターと対話する際の、新しい保護者管理機能を発表しました。2025年初頭からInstagramで導入されるこの機能により、保護者は子供のAI利用を一部または完全に制限したり、会話の概要を把握したりすることが可能になります。背景には、AIが未成年者に与える影響への社会的懸念の高まりがあります。

新機能の中核は、保護者が10代の子供のAIキャラクターとのチャットを完全にオフにできる点です。また、不適切と判断した特定のキャラクターとの対話のみをブロックする、より選択的な制御も可能になります。これにより、家庭の方針に合わせた柔軟な管理が実現します。

一方で、汎用アシスタントである「Meta AI」は、教育的な機会を提供するとしてブロックの対象外となります。ただし、年齢に応じた保護機能が適用されます。また、保護者は子供がAIとどのようなトピックについて話しているかの概要を知ることができ、親子間の対話を促すきっかけ作りを支援します。

今回の機能強化は、MetaのAIが未成年者と不適切な対話をしたとの報告や、規制当局からの監視強化を受けた動きです。同社は最近、10代向けコンテンツを映画の「PG-13」基準に準拠させると発表するなど、若者保護の取り組みを加速させています。AIの社会実装における安全対策は、企業にとって喫緊の課題と言えるでしょう。

この新しい保護者管理機能は、2025年初頭にまずInstagramで提供が開始されます。対象は米国英国、カナダ、オーストラリアの英語利用者に限定されますが、Metaは将来的に対象プラットフォームと地域を拡大していく方針を示しており、今後の動向が注目されます。

ChatGPT Pulseへの広告導入、アルトマンCEOが可能性示唆

「Pulse」機能の特長

ユーザー履歴や接続アプリを基に学習
毎朝、パーソナライズされた情報を提供
ワークアウトやニュース要約などの自動生成
一日をChatGPTで始めるための設計

収益化戦略の方向性

現時点で広告導入の具体的計画なし
アルトマンCEOは将来的な可能性を否定せず
ユーザーに有用な関連広告を模索
高負荷のため現在はProユーザー限定提供

OpenAIサム・アルトマンCEOは、先日発表された新機能「ChatGPT Pulse」について、現段階では広告を導入する具体的な計画はないと明言しました。しかし、同時に将来的な広告導入の可能性は否定しない姿勢を示しており、同社の収益化戦略の方向性に関心が集まっています。この発言は、サンフランシスコで開催されたDevDayでの記者会見でなされました。

Pulseは、ユーザーのトランスクリプトやカレンダー、メールなどの接続アプリを基にAIが学習し、毎朝パーソナライズされた情報を提供する機能です。これにより、日々のワークアウト計画やニュース要約、レストランでの注文提案など、ユーザーの日常行動をAIが支援し、「一日をChatGPTで始める」という高いエンゲージメントを目指しています。

広告戦略について、アルトマンCEOは「大きな注意を払ってアプローチしている」としつつも、関連性の高い広告であればユーザーにとって有用になり得るとの見解を示しました。「私はInstagram広告を楽しんでいる」とも発言しており、ユーザーの文脈に深く根ざした広告モデルを将来的に模索する可能性を窺わせます。

なお、Pulse機能はアルトマン氏が「長年ローンチした中で最もお気に入りの機能」と述べるほど注力されていますが、その実行には高い計算負荷を伴います。このため、当初の計画とは異なり、現在はよりリソースにアクセスできるChatGPT Proユーザー限定での提供となっている状況も明らかになりました。

Meta、AI対話データを広告利用へ ユーザーに拒否権なし

AI対話データの広告利用

Meta AIとの対話内容を分析
広告コンテンツ推薦に活用
12月16日より適用開始

ユーザーの選択権と懸念

ターゲティング利用の拒否は不可能
通知文言が間接的な表現
センシティブ情報は対象外と説明
プライバシー保護への懸念

Meta社は、FacebookInstagramなどで提供する「Meta AI」との対話内容を、12月16日からターゲット広告に利用すると発表しました。ユーザーはこのデータ利用を拒否(オプトアウト)する選択肢を与えられません。同社はサービスのパーソナライズが目的と説明していますが、プライバシー保護の観点から議論を呼んでいます。

同社は10月7日からユーザーへの通知を開始し、12月16日よりデータ利用を本格化させます。この変更により、Meta AIとの対話履歴が、各アプリで表示される広告コンテンツの推薦に直接影響を与えるようになります。この機能は、月間10億人以上が利用するMeta AIの全ユーザーが対象となります。

通知の表現方法も注目されています。最初の通知文には「AI」という言葉が含まれず、ユーザーがクリックして初めてAIに関する変更だと分かる仕組みです。この点についてMeta社は「情報を隠しているわけではない」と反論し、通知をクリックすればすぐにAIに関する更新だと理解できると主張しています。

一方でMeta社は、プライバシーへの配慮も示しています。宗教、性的指向、政治的見解、健康状態といったセンシティブな個人情報に関する対話内容は、広告のターゲティングには使用しないと明言しました。これにより、特にデリケートな情報が直接広告に結びつく事態は避けられる見込みです。

Metaは「ユーザーは自身のデータを管理できる」と説明しますが、AI対話データに基づく広告利用に関しては拒否権が存在しないのが実情です。ユーザーはAIとの対話方法を工夫するしかありません。今回の変更は、利便性向上とプライバシー保護のバランスを巡る新たな課題を提起していると言えるでしょう。

Meta、AIとの会話データを広告に活用へ

AIデータ活用の新方針

AIとの会話内容を広告に利用
12月16日からポリシー改定
ユーザーによる拒否は不可

対象となるデータとサービス

チャットボットとの会話履歴
FacebookInstagramで反映

プライバシーへの配慮と例外

EU・英国韓国適用除外
センシティブな話題は利用対象外

Metaは、傘下のAIアシスタントとの会話データをターゲティング広告に利用する方針を明らかにしました。2025年12月16日からプライバシーポリシーを改定し、FacebookInstagramのユーザーに対し、よりパーソナライズされた広告コンテンツを提供します。この動きは、巨大IT企業によるAI製品の収益化競争が新たな段階に入ったことを示唆しています。

具体的には、ユーザーがMeta AIと「ハイキング」について話した場合、ハイキング用品の広告が表示されるようになります。このデータ活用はチャットボットとの会話だけでなく、Ray-Ban MetaスマートグラスでAIが分析した音声画像データ、AI画像生成ツール「Imagine」での操作なども対象となり、ユーザーの行動が多角的に分析されます。

ユーザーにとって重要なのは、このデータ利用を拒否(オプトアウト)できない点です。Metaの各種サービスで同一アカウントにログインしている場合、例えばWhatsAppでのAIとの会話がInstagram広告に影響を与える可能性があります。ユーザーに許されているのは、既存の広告設定メニューから表示される広告の好みを調整することのみです。

プライバシーへの配慮として、Metaは宗教的信条や政治的見解、健康状態といったセンシティブな情報に関する会話は広告に利用しないと説明しています。また、欧州連合(EU)、英国韓国では、現地の厳格なプライバシー規制のため、この新方針は当面適用されません。

Metaの狙いは明確です。中核事業である広告ビジネスを、AIから得られる新たなデータで強化することにあります。月間10億人以上が利用するMeta AIは、ユーザーの興味関心を深く知るための新たな情報の宝庫です。これまで無料で提供してきたAI製品を、広告という収益の柱に直結させる戦略です。

AI製品の収益化は業界全体の課題です。OpenAIChatGPT内での商品購入機能を発表し、GoogleがAI検索への広告導入を計画するなど、各社が模索を続けています。Metaの今回の動きは、データ活用による広告モデルという、同社の成功方程式をAI時代にも適用する明確な一手と言えるでしょう。

Meta、AI動画の新フィード『Vibes』を開始

AI動画の発見と創作

AI生成の短尺動画専用フィード
クリエイター作品からの着想を促進
プロンプト表示で制作過程を可視化

リミックスとSNS連携

音楽画像・アニメーションの変更機能
Instagram等への簡単クロス投稿
MetaのAIエコシステム拡大戦略

Metaは9月26日、AIが生成した短尺動画を発見・共有するための新フィード「Vibes」を、Meta AIアプリ内で公開しました。この機能は、クリエイターやコミュニティが作成したAI動画をユーザーがリミックス(再編集)し、新たな創作活動を促すことを目的としています。

「Vibes」は、以前ユーザーがAIとの対話やプロンプトを共有していた「Discover」フィードに代わるものです。テキスト中心の共有から、動画コンテンツの創作と発見に焦点を移したことは、MetaのAI戦略における重要な転換点と言えるでしょう。

フィード上の動画には、生成に使用されたプロンプトが併記されており、ユーザーは制作の裏側を覗くことができます。さらに、音楽画像、アニメーションを変更する「リミックス機能」を活用し、独自の作品をVibesやInstagramFacebookに手軽にクロス投稿できます。

この動きは、Metaが全社的に進めるAI機能統合の一環です。同社はFacebookInstagramなど主力製品にAI画像生成機能を組み込むほか、先日には画像生成AIの有力企業Midjourneyとの提携も発表しました。MetaはAIによるコンテンツ制作エコシステムの構築を加速させています。

Meta、画面付きAIグラスとEMG制御バンドを発表

AIグラスの新旗艦モデル

フラッグシップ機「Meta Ray-Ban Display」投入
片目レンズにアプリ表示用ディスプレイを搭載
通知や地図をスマホなしで確認可能

革新的な操作インターフェース

微細な手の動きを検知する「Meta Neural Band
筋電図(EMG)技術を用いた非接触制御
リストバンドでアプリ操作やナビゲーション

エコシステムとVR/AR強化

開発者向けウェアラブルアクセスツールキット公開
アスリート向け「Oakley Meta Vanguard」発表

Metaは年次イベント「Meta Connect 2025」で、AIとウェアラブル戦略の核となる新製品を発表しました。目玉はディスプレイを搭載したスマートグラスMeta Ray-Ban Display」と、微細なジェスチャーで操作可能な「Meta Neural Band」です。これはスマートフォンへの依存を減らし、AIを活用したハンズフリー体験を浸透させるための重要な一手となります。

新製品のMeta Ray-Ban Display(799ドル)は、片方のレンズに埋め込まれたポップアップ式の画面を持ちます。これにより、ユーザーは携帯電話を取り出すことなく、メッセージや地図、InstagramのReelsなどを視界に表示できます。これはかつてGoogle Glassが目指した体験に最も近い製品だと評価されています。

このスマートグラスの操作を支えるのが、Meta Neural Bandです。EMG(筋電図)技術により、脳から手に送られる微細な信号を検知し、小さな指の動きでアプリのナビゲーションを可能にします。Metaは、このEMGインターフェースがデバイス制御の新しい標準になると賭けています。

また、スマートグラスのラインアップを大幅に拡充しました。アスリート向けに耐水性とラップアラウンドデザインを採用した「Oakley Meta Vanguard」(499ドル)や、バッテリー寿命を従来の2倍(8時間)に改善した「Ray-Ban Meta Gen 2」も発表しています。

ハードウェアだけでなく、エコシステム強化も進められています。開発者向けには「Wearable Device Access Toolkit」が公開され、サードパーティのアプリがスマートグラス視覚・音声機能を利用可能になります。これにより、AIグラスのユースケース拡大が期待されます。

創業以来のテーマであるメタバース関連の発表もありました。Questヘッドセット向けには、現実空間をVR上にフォトリアルに再現する技術「Hyperscape」のベータ版が提供されます。また、VRプラットフォーム「Horizon Worlds」のグラフィックエンジンも刷新されています。

Google Discover、X・Insta投稿表示へ クリエイターフォローで利便性向上

ソーシャル投稿を一元化

X(旧Twitter)やInstagramの投稿対応
YouTube Shortsなどの動画コンテンツ
記事・動画・ソーシャルポストの混在表示
複数プラットフォームの情報を自動集約

クリエイター/パブリッシャーとの連携

Discover上でのクリエイター直接フォロー機能
フォロー前のコンテンツプレビューが可能
連携強化によるエンゲージメント向上
Googleアカウントへのログインが必須

Googleは2025年9月、Googleアプリ内のDiscoverフィードを大幅にアップデートしました。これにより、ユーザーはこれまで個別のアプリで確認していたX(旧Twitter)やInstagramなど、主要ソーシャルプラットフォームの投稿をDiscoverで一元的に閲覧・フォローすることが可能となります。複数の情報源を横断する手間が省け、ビジネスにおける情報探索の効率が大きく向上します。

今回のアップデートの核は、分散していたコンテンツの集約です。特に、記事だけでなく、ソーシャルプラットフォームの投稿やYouTube Shortsのような短尺動画コンテンツが追加された点は注目すべきです。これは、多様な情報形式を求めるユーザーのニーズに対応し、よりパーソナライズされた体験(UX)を提供する狙いがあります。

最も重要な新機能は、Discover上でのパブリッシャークリエイター直接フォロー機能です。ユーザーは、気に入ったクリエイター名やパブリッシャー名をタップするだけで、彼らの最新コンテンツ(記事、動画、ソーシャル投稿)をプレビューし、直接フォローできます。これにより、関心のある情報源からの情報を継続的かつ確実に取得できるようになります。

この動きは、Googleがユーザーの「コンテンツ発見のハブ」としての地位を強化する戦略を示唆しています。SNSプラットフォームに流れていたユーザーの関心をDiscoverに引き戻し、情報消費の起点をGoogleに統一させることが狙いです。パブリッシャークリエイターにとっても、Discoverは新たな読者・視聴者との接点として機能し、収益機会の拡大に貢献すると期待されます。