分散戦略の実態
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米メディアVentureBeatは7月3日、AnthropicのAIモデル「Claude Fable5」が6月に米政府の輸出規制で全顧客向けに停止した騒動を受け、企業の3分の2がすでにモデル調達先の分散を進めていたとする調査結果を公表しました。従業員100人以上の145社を対象にした調査で、6月12日の停止期間中に実施されました。特定ベンダーへの依存リスクが現実の脅威として突きつけられた形です。
分散の内訳を見ると、51%がクローズドな最先端モデルと自社基盤上のオープンウェイトモデルを併用し、16%は基幹業務をクローズドAPIから完全に切り離す動きに出ています。停止時にクローズドな仕組みに全面依存していたのは残る32%にとどまりました。Fable5は6月9日に高性能で登場したものの、入力100万トークンあたり10ドル、出力50ドルという高額さと、わずか3日後の停止で企業を翻弄しました。
今後1年で縮小や打ち切りの対象に挙げられた主要ベンダーは、CopilotやAzure AIの削減を理由にMicrosoftが30%で最多でした。価格変動を背景にOpenAIが21%、Anthropicが15%、Googleが6%と続きます。もはや惰性による囲い込みは終わり、少なくとも1社を積極的に削減する企業が全方位で拡大する企業を上回っています。
一方で調査が浮き彫りにしたのは、統制の深刻な欠如です。本番稼働中のAIの異常を自動で検知できる企業はわずか10社に1社にとどまり、79%がすでにエージェントの統制失敗で金銭的・運用的な損害を被っていました。最も多い原因は、従業員が会社のクレジットカードで無許可のエージェントを動かす「シャドーAI」です。
統制が機能しない最大の理由は組織面にあります。プラットフォーム横断でAIを統括する単一の責任者が不在という回答が32%で最多を占め、技術やツール不足はむしろ下位でした。責任者の任命に費用はかからないにもかかわらず、多くの企業で実現していないのが実情です。VentureBeatは第3四半期に、6月の教訓が実際の体制変更につながったかを追跡調査するとしています。